したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

それは連鎖する物語Season2 ♯2

608数を持たない奇数頁:2015/06/23(火) 21:44:23 ID:XEYMRE4k0
死闘。疑う余地など一切無い、正真正銘の命の取り合い。それを眼下に眺めながらも、しかし鴉は――クロガネは機動を止めない。
様々な思いが湧き上がらんとする胸中に、あえて暗幕を引き、彼女は断固として、一個の殺戮機械として、絶望に染まっていた空を舞うのだ。
それこそが、最も彼らの助けとなる行為であり、その行為でしか、クロガネには彼らを助ける事などできない。
ならばそれを断固たる決意で、彼女の持つ全能を用いて行う事に、逡巡の余地などあろう筈もない。心配や再開を喜ぶ事は、後でも出来るのだ。
前方を塞ぐように現れた数対の仔竜を、最小の機動で躱す。標的の陰すら掴む事もできず、のろのろと振り返ろうとした一群は、グリンと一八〇℃回転した速射砲の蜂の巣めいた砲身が、鴨撃ちめいて容易くその巨体を穿ち砕いた。
血霧が淡く彩る空を駆けながら、クロガネは祈る。
――どうか、歌ってください。ミス柳瀬川。
「それが、この状況を打開する唯一の鍵なのです……!」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板