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それは連鎖する物語Season2 ♯2

603数を持たない奇数頁:2015/06/23(火) 21:43:00 ID:ss5gHwv.0
聡治は左のケースから、符を一掴み取り出し、無造作に空中にばら撒いた。木の葉めいて散らばるかに思えたそれが、風に漂ったのはほんの一瞬だった。
それは地面に対して垂直に、空中にて静止する。
「錬成符」や「障壁符」などという基本的な物から、二度も竜の目を欺いた、伏神固有の「虚飾符」など、その種類は多岐に渡っていた。
パチン、と指を鳴らすと、それに呼応して魔符群が、その姿を消した。聡治の動きに、思わず視線を回らせていたベイバロンも、その光景を目撃し、僅かに目を細めた。
さて、大盤振る舞いと行こう。どうせ元値はタダなのだ。
「一つ、良い事を教えてやるよ、竜」
 地面を踏みしめて、一歩。見下ろす竜の眉間に、深い険が現れた。
「聡里が俺の事を『兄様』と呼んだ事は一度もない。あいつは『お兄様』と呼ぶ」
【傲慢】を一枚取り出し、ビリと破く。溢れ出し、流れ込む呪文に塗れながら、聡治は完全に表情の剥がれ落ちた顔のまま、言い放った。
「粗末な嘘だな、竜。――来い。どちらが無能か教えてやる」
「驕るなよ、出来損ないが。格の違いというものを、分からせてやらねばならぬようだ」


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