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それは連鎖する物語Season2 ♯2

50数を持たない奇数頁:2014/10/09(木) 22:31:46 ID:88QcdURQ0
「いやいや、よさないか」
 劔は手のひらを夕霧に向けて制止した。もう片方の手は後頭部を掻き、顔は俯き気味だ。照れ隠しである。
「とりあえずあれだ。そういう話は家に戻ってからだな……」
 劔がボソボソとそう言うと、ソウジはやれやれといった感じでため息を吐いた。
「やっぱり、兄さんなんだなぁ」
 ソウジは何度目かの懐かしさと、兄の存在の温かさをかみしめる。そして、これから実家へ赴くことを考えれば、大層心強くもあった。
「では、僕はこの辺でお暇させていただきます。僕にも僕の、里帰りがありますので」
 真川は丁寧に頭を下げ、別れを告げた。ソウジから付き添ったことへの感謝を受けた真川は、三人が見えなくなるまで手を振って見送った。

 真川は懐から携帯端末を取り出す。慣れた手つきでそれを操作し、通話を開始した。

「僕です。お久しぶりです」
「ええ、実は……まあ、そんなところです」
「はい、もちろん戻りますよ」
「今は里帰り中で……そうそう彼と道中一緒でしたよ。ええ彼です。お兄さんとも会えて元気そうでした」
「え?それだけですけど。何故って?あー……何となく、ってやつですかね。では。」

 何かを遮るように通話を切った真川はふと空を見つめ、ため息を漏らす。

「さて、帰ってどう話したものだろう……。信じてもらえるだろうか……」


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