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それは連鎖する物語Season2 ♯2
453
:
どあにん
◆kCddW1pw9Q
:2015/03/12(木) 17:29:42 ID:9irJEW5o0
「面妖な……」
伏神楯一郎の息は切れていない、衣服の乱れすらも無い。
土を盛り固めただけの道路を踏み締め、吹き抜ける風が若干火照った身体を撫でる。
目の前に広がる廃墟は確かに楯一郎が最終決定を下し、楯一郎の命によって集った大工達が建てた家々がこんなにも前時代的で、粗末な物だとは思わなかった。
当然そこに住まう者が誰も居ない、不気味な静けさだけが集落を包み込んでいた、集団で逃げたとは考えにくい。
ならばと一縷の望みに賭け、楯一郎は大きく息を吸って一瞬押し留めた、刹那。
――山が、震えた。
超人的な肺活量から繰り出された呼びかけの声。
発声の衝撃で近場の木は薙ぎ倒され、脆くなった壁は粉々に砕け散った。
これだけの声で呼び掛ければ何かしらの反応が得られると睨み、その目論見は功を成した。
当然、楯一郎が望む結果では無く。
楯一郎の背中に突き刺さる何者かの視線、それも一つ二つでは無い。
両の手を使っても到底数えきれる数では無い、入り交じる好機と殺意の目線が無数に楯一郎の背に突き刺さる。
「……成程、此処の者らは皆、"羽蜥蜴"の腹の中、と言う訳か」
薄暗い中でも視認した、集落中央にあった祭壇ににあるべき物が何も無い。
大凡察しが付いた、道理であの耄碌達が集落の場所だけは一任させて欲しいと懇願してきた訳だが、鬱陶しいし小事なので一任させたのは失敗だった。
愛しき孫はこの光景を見てしまったと言う事か、後で時間を掛けて謝罪せねばなと呟いたその時だった。
藪が震え、何かが楯一郎に向かって飛び出す、赤い瞳をギラつかせ純白の牙をその肌に突き立てんとするもそれはならなかった。
楯一郎は一瞥すらせずに裏拳でそれを払うと触れた箇所は一瞬で血霧となって墜落、足元に転がったそれは青い鱗に覆われており羽の生えた、小型の竜。
兄弟と言うべきか、それを殺されたのを切っ掛けに方八方からそれが一斉に飛び出し、楯一郎に向かってくるがその表情には曇りすら無い。
「羽蜥蜴の仔か、準備運動にはなるだろう……伏神家27代目頭首:伏神楯一郎の命、簡単に取れると思うな仔蜥蜴達よ」
ガラスを硬い物で引っ掻くような鳴き声が増えていく。
まずは此処を切り抜ければなるまい、楯一郎は拳を構えた。
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