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それは連鎖する物語Season2 ♯2

292数を持たない奇数頁:2015/01/04(日) 23:07:11 ID:Vo0LwshY0
 十五人。十六人。十七人。十八人。十九人。二十人。二十一人。
 爆発の刹那、屍を掴んで端に群がっている者共のほうへ投げた。爆発が先だったか放るのが先だったかはわからない。右腕には大きな傷を負ったが、幸いかなまだ動く。これで手間が省けた。十一秒。
 ふと一瞬の気流が目の前を過ぎった。嫌な予感がして流れる先を追う。信じ難い光景だった。抉られている。結界も、会堂の壁までも。人一人が通れるほどの穴が、間違いなく空いている。南無三。
 いや、そうではない。そうではないはずだ劔。今呆然としていては全てが水泡に帰す。身体を動かすのだ。結界が消えてしまったわけではない。結界の支点は全くの無傷ではないか。十二秒。まだ間に合うはずだ。脱した者を即座に仕留め、穴を塞ぐ。夕霧ほどのものではないが、簡単な障壁なら俺にも張れる。
 二十二人。二十三人。
 穴に気付き、足を踏み出した二人の首を握りつぶし破壊。結界の外に、会堂の外に出た。穴を障壁で一旦塞ぐ。障壁を背に辺りを見回した。中庭はうって変わって静まり返っている。五感が研ぎ澄まされる。
 居る。一人、間違いなく居る。荒い呼吸、こちらへ向かってきている。逃げぬのか。他に人の気配は無い。時間がない。打って出るほかない。いざ――。


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