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機動戦士ガンダム 〜Mission The Destroy 『TINZYU』〜
5
:
なめこ
:2010/10/24(日) 14:42:49
どこか修学旅行気分が抜けない少年3人組と対照に、司令室は物々しい雰囲気に包まれていた。
《それで、どの程度の被害を我々は被っているのだ?》
《日本の茨城県、ブラジルのサンパウロ、イギリスもイギリス海峡からロンドンに向けて侵攻してきましたが、すべて撃退に成功しています》
地底ケーブル通信を用いた多数の中継モニターには、いかにもな服装をし、勲章をぶら下げた軍幹部の人々が映し出されている。
中でも一際大きな髭を生やした男は《そうか》と呟くと、手元のキセルを咥えては離す。
最近のU2のグエルトによる強行偵察は目に余るものがあり、形成逆転を恐れている人間も現れ始めた。
次第に恐怖は幹部にも感染し始め、戦艦の建造や新型MS「パペットプロジェクト」のテスト機の実験を実戦と平行して行うまでに至った。
冷戦状態だった戦争が少しずつ動き始めたのだ。
かくして、「パペットプロジェクト」の試験先に選ばれたここ―群馬県の邑楽基地も、例外的に幹部会議に参加しているのだった。
《それで、試験機のテストは良好か?アキツ君》
「ええ、異常といったものはこれといって見当たりません。戦績も上々です」
顎鬚を生やした基地指令アキツは、凛々しい表情で返答した
《そうか、では引き続き頼むぞ》
「了解しました」
すぐさまモニターは暗転、会議は終了。司令室も重苦しい空気から開放された。
「お疲れ様でした。アキツ司令」
基地オペレーターのマヤが持ってきたコーヒーを一口すすると、愚痴が突いて出てきた。
「…やっぱりこの仕事は俺に向いてないな」
「そんなこと無いですよ、司令はがんばっていると思います」
重役達による会議はまだ続くのだろうが、おおよそ手駒の自分たちが知るような内容でもないのだろう。
そうぼんやり考えると、コーヒーを一気に飲み干し、カップをテーブルに置いた。
おかわりを勧めるマヤに断りを入れ、窓際のブラインドに手を伸ばす。遮られていた朝日が、質素な部屋を暖かく照らし始めた。
外を見ると、ジョギングをする兵士達。
「俺もあれぐらい若ければなぁ」
そっと呟く。
現役を引退した老兵の、ちょっとした反発心からでた言葉だった。
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