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機動戦士ガンダム ブラックアウト
3
:
スコール
:2008/11/12(水) 02:34:32
複座とは一人以上で機体を動かすときに使う言葉だった。
二人乗りの1号機。なんだかよくわからない機体だ。
二人乗りのためコックピットは中々、広かった。
キャノピーが閉じられる。
ネビルはこの機体の扱い方を心得ているようだけど、俺は違う。
マニュアルを何度も読み返しているけど、単語の羅列にしか感じられない。
頭に内容がさっぱり入ってこない。
わかったことはこのゼフィロキアがどんな領域でも稼動できるような汎用性を意識して作られたものだということだ。
それに電子戦用の機器まで取り付けられているそうだ。
欲張りすぎて他の機体に比べ、少し大きくなったとも書かれている。だけど、それを補う以上の機動性、耐久性を保持しているようだ。
開発者たちは現行最強のMSを目指して作ったのだと思われる。
そんなものが若干17歳二人の手の中にあってよいのだろうか。
いや、自分で決めた選択だ。迷わない。
「カメラは動いているのに外はまっくら。シートか」
爆発の振動に比べれば、ほんの些細な振動でゼフィロキアは動き始めた。
「ソールは自分のやるべきことがわかっているかい?」
「いや、全然」
ふふっと笑う声が前の席から聞こえた。少し、癪に障ったが仕方が無いものだと決め付け、耐えた。
じゃあ、とネビルが切り出した。
「ソールが砲撃担当にしようか、僕が機体の操縦を担当しよう」
しかし、それはつまり俺に人を殺せと言っているのだ。
俺はそれを無言で返事をしてやった。常人なら許可とも、拒否とも取れずに悩むところだろうが、最早目の前のおもちゃに耐え切れなくなったような顔つきのネビルは許可と即決したようだ。
シートが取り外され光を見た。
ネビルがパネルに手をやり、倉庫の屋根が中央から開いた。
空にいた二つのMSは地球連邦基地上空で戦闘しているようだ。
「僕の自由が……始まる」
ネビルの上ずった声は不気味だった。
今にも狂い、笑い出しそうなネビルの後ろで俺は砲撃担当としての仕事をこなそうと思った。
何かに専念しなきゃ無駄な思考が始まる。俺は凡人だ。凡人なら凡人らしく、だ。
「行くよ、ソール。さぁ、冒険だ」
バーニアに火が付き、機体が空へと舞い上がる。
ゼフィロキアには何も装備されていなかった。
あるのは主兵装のビームサーベル2本と左肩のビームキャノン。
「撃つぞ」
ネビルに告げる。いや、本当は自分に言い聞かせたんだ。
射撃用のモニターが現れる。スティックを動かせばニュートラルの位置からターゲットサイトが動いた。
ゲームじゃないか。
いや、不謹慎だ。
「当てる理論は簡単だ。敵の行動を予測し、距離を計算に入れ、当たる位置に放つ。それだけだ」
わかっている。しかし、当たらないだろう。
ゼフィロキアの装甲は硬い。現行の実弾兵器、特に100mm口径のマシンガン程度では近距離でピンポイントに当て続けなければ傷もつかないだろう。
だから、相手を近づかせネビルに近距離戦をやってもらうほうがいいのだ。
トリガーをゆっくりと引いた。
振動。一筋の光が伸びる。それは一直線に伸びるとテロリストの機体に穴を開けた。
スパーク、電光が走り、爆発。ほとんど一瞬だった。
「すごいよ!よく当てたね。君がついてきてくれてよかった」
ネビルは本当にうれしそうに言った。
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