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機動戦士ガンダム ブラックアウト
18
:
スクネ
:2010/10/23(土) 21:58:28
「こんなところで油売ってていいのか?ソウイチローのやつはどっか行っちまうし」
コンテナの壁にゼフェロキアは掛けられていた。動かないよう拘束具をつけられた姿は、訪れた島で縛り付けにされたガリヴァーのようでもある。その機体には数人のエンジニアと作業機械がたかっている。多脚の作業機械はまさに蜘蛛といった形状で、エンジニア達からはアラクネなどと
呼ばれている。先程の戦闘でゼフェロキアがダメージを受けた箇所の修理は終わっていた。現在は塗料の塗布や潤滑油を差すなど調整にあたる作業が始まっている。
「あいつどうしたって言うんだ?すごい慌ててたぞ?」
エンジニアはキャットウォークの上からゼフェロキアと膝の上の情報端末を交互に観察している。彼はここ、3番コンテナで情報技術を担当していて、エンジニア共通のえんじ色のつなぎの上に置かれた情報端末の画面にはプログラム言語が淀みなく流れている。目を離すべき作業ではないスペルチェックで時折ゼフェロキアに目を向けるのは、さも作業しているという体を演じる彼なりのカモフラージュのようだ。
「お前と話してたみたいだし、何か知らないのか?おい、聞いてるのか?ネビル」
彼がこうもしつこく聞くのはソウイチローと彼が面識があったからだ。ヴァイパーの置かれている2番コンテナのエンジニアと共同でバグチェックをしたことがあり、そのときソウイチローも一緒に手伝っていた。また直接、情報端末のカスタマイズをソウイチローに教えたこともある。彼は地球から2番目に遠いコロニー2で農作物の管理を生業としている弟をソウイチローの姿から思い出していて、つい心配をしてしまっていた。ソウイチローは彼を知らない。3番コンテナといえばネビルのゼフェロキアが置かれているぐらいにしか印象が無かった。
エンジニアの斜め後ろ、壁に寄りかかり、腕を組み、ネビルはゼフェロキアの姿を静かに見ていた。エンジニアに話しかけられても反応がない。
「やっと始まりましたよ。ここからです。全ては」
口を開きはしたが意味のわからないことを言うので思わずエンジニアは振り返った。しかしネビルは出口に向かって移動し始めたところで、エンジニアがその姿を認めたときには靴の裏しか見えなかった。
「……なんだってんだ?」
数秒その姿を見た後、考えるのをあきらめるように作業に戻った。彼が作ったゼフェロキア専用自動スペルチェックツールによってプログラムから計12個の記述ミスが見つかっていた。
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