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機動戦士ガンダム0.5

26きんけ:2008/12/08(月) 21:55:03

デモの参加者もマキスの存在に気付き始めたのか、ざわざわとどよめき始めていた。
行列の先頭。議会堂前に到着した彼らの目の前に現れたのは黒い装甲車と、黒の戦闘服に身を包んでサブマシンガンを抱える特殊部隊だった。
向けられた銃口に恐れをなして歩を止めた人々。そんななか、一人の勇士が臆することなく彼らへと迫っていった。
残り五十メートルといったところ。パパパと乾いた銃声の直後、プラカードを持ったまま男はその場に倒れ込んだ。
仰向けに倒れて動かない男。間違いなく彼は撃たれたのだ。

何やら、外が騒がしい。
ハーワンも組織のメンバーに呼ばれてから、店に戻ってきていない。
僕の両側からマリーちゃんとレイちゃんがハーワンはどこへ言ったかとしきりに聞いてくる。
テーブルの上に座って、窓から外の様子を不安そうに覗いているティエレン君。
イナクト君は僕の足を掴んだまま寝てしまった。
さすがに、僕ひとりでは面倒見れない…
おろおろと当惑していた僕に、心強い男が店の裏口から入ってきた。
もちろんハーワンだ。
「よし、お前たち逃げる準備だ!」
「何があったの?」
てきぱきと荷物をまとめるハーワン。
「鎮圧用の特殊警察が出動したらしい。奴ら実弾を使用している」
「そんな…実弾だなんて」
反連邦思想には容赦ないってことか…
僕はようやく重い腰を上げて、イナクト君を抱きかかえた。
「殺されたくはないからね…」
「ガキ共は女に任せるぞ」
すやすやと寝息をたてるイナクト。
「そのほうが安心できるね」
裏口から組織のメンバーであろう数人の女性が顔を覗かせた。
準備をしているハーワンに代わってジョシュアが子供たちをまとめると女性へと引き渡す。
ティエレンが目に見えぬ恐怖に涙を浮かべている。それに気づいたジョシュアは彼の目線に並ぶようにして
「心配はいらない。君は強いんだ」
元気付ける様に微笑みかけた。
突如、すさまじい轟音がジョシュアたちの頭上を駆け抜けていった。
「灰色のマキス…急いだほうがいい」
視線を女性を向けた、女性はそれに答えるようにこくりと頷く。
そして、子どもたちを連れた女性メンバーが走り出した。
その後ろ姿にバイバイ。
「さて、行くか」
ハーワンはリュックを背負った。
「子供達に挨拶しなくて良かったの?」
「すぐ会えるさ」
「それも、そうだね」
こんな状況下でも、やはりジョシュアは笑った。


機動戦士ガンダム0.5
6話 神鳥の輝き


ドラウロは迷っていた。
どうする、姿を出すか?
だが、まだロイスからの合図が来ない。
哨戒中の敵は三機だ。しかし敵艦や付近のコロニーからの援軍が来る可能性だってある。
俺ひとりで慌ててはいけない。信用するんだ仲間を。
「いつでも攻撃の準備は出来ているんだからな…」
早く合図をくれ、ロイス!

大通りでは人々が逃げ惑っていた。
ビルとビルの間の小道から、逃げていく顔という顔を見ていく。
見つかるわけないだろ!
砂漠の中から一つの小石を探すようなものだ。この任務の困難さは、これまでの任務とはまったく違う次元をいっている。
展開する武装した鎮圧部隊に上からはマキスが迫ってきている。
「―――どこにいるんだよ、ジョシュア・ラングリアーーー!」
力の限り叫んだ。直後、全身の力がぬけそうになって膝が折れた。
だが、神はまだロイスを見捨ててはいなかった。
くいっ。
何かが彼のズボンを引っ張る。
半泣きのロイスが視線を下ろした、そこには同様に半泣きの少年がいた。
「そ、そなたは…」
幼い子供の登場に当惑するロイス。
迷子だと思ったが、少年の奥には数人の女性と同い年ほどの子供が立ち止まっていた。
「な、何用…?」
「いま、ジョシュ兄ちゃんの名前呼んでた…」
ジョシュ兄ちゃん…ジョシュア・ラングリアのことか!
「少年よ、ジョシュア・ラングリアを知っているのか!?」
無言でかぶりを振った少年。おもむろに右腕を水平にして指を差した。
どうやら、向こう側にジョシュ兄ちゃんがいるということらしい。きっと、そうだ。
「ありがとう、少年!」
「…ティエレン」
「そうか。ティエレン君か、またいつか会おう!」
ぽんとティエレンの頭に手を乗せて撫でると、ティエレンが示した道へと走って行った。


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