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機動戦士ガンダム0.5

21きんけ:2008/12/07(日) 19:10:55
サイド6コロニー「クエサー」
コロニーの中心部の大通りに人が数キロにも及ぶ列を成していた。
人々はプラカード、旗、メガホンなどそれぞれ思い思いの物を手にして行進している。
彼らが目指すのは、ただ一つ。連邦政府の議会堂である。
ロイスはその光景を、少し離れた丘の上から眺めていた。
息は呼吸をするたびに白く上がり、風は肌を突き刺すように寒く、空からは人工雪が降っていた。
ここまで寒いコロニーも初めてだな…
かじかんだ指にハァと息を吐きかけながらロイスは思った。
気候を管理できるコロニーでは比較的、過ごしやすい気温や天候に設定することが多く。地上の寒帯や熱帯のような気候には滅多にならない。
「それにしても、この中から探せというのか?」
アナログ式の双眼鏡を視界から外し、デモに参加している行列の全容を掴もうとした。
おそらく数万人規模が参加しているはずだ、その中からたった一人を…
途方もない作業にロイスは一瞬、めまいを覚えた。

事の発端は数日前のミーティングだった。
「『PGP』の新型を載せた偽装船が連邦軍に押さえつけられた」
その日のミーティングはシラナミのその言葉から始まった。
彼によるとサイド6のクエサーに数日の停泊の後にサイド4で新型の譲渡を行うはずだったのだが、これまでの俺達プレイオスの活動によって比較的穏やかだったクエイサーの反連邦気運が激化。
大規模なデモの開催も予定され、連邦は一時的に港を封鎖してしまったのだ。
おまけに情報規制もかかってしまい、盗聴や傍受を考慮して合流予定だった新型のパイロットとも連絡が取れないという最悪な状況だった。
「俺達の行動も考えものだな」とドラウロはマイペースに笑っていたが、笑いごとではない。
解決策も酷い物だった。
アルダに相乗りしてクエサーまで接近後、ロイスが単独でコロニー内に侵入。
コロニー市民に紛れながら、パイロットを探し出して合流。合流後はアルダに合図を送って、隙を作ってもらい、その間に新型を起動させて脱出。
人を人して見てないような内容の作戦だ。
一番簡単なのはモビルスーツでの強襲なのだが、世論からの反感を買いたくないのだろう。
宣戦布告から二ヶ月が経った。ようやく賛同を公言する者も現れ始めたのだ、こんなところで己の足場を崩したくはない。
本心ではないが、遂行するしかない。
そうやって割り切りながら、ロイスはクエサーへと侵入した。

機動戦士ガンダム0.5
5話 邂逅

クエサーの宇宙港外。一隻のトーマス級がクエサーを背に滞空していた。
トーマス級のカタパルトより放たれる一条の光。
「こちらイーサン・ウェバー。クエサー外部の哨戒任務に就く」
後続に続くマキスが二機。
このような反政府ムードが高まっているときは気をつけたほうがよい。プレイオス宣戦布告時のサイド4が良い例だ。
あのときはあまりにも政府の対応が緩すぎたために、あれほどのクーデターを許したんだ。
「まったく、嫌な時期に姿を現したよプレイオスは」
反射鏡の下を潜り抜けた三機。無機質な外壁から突如、視界が開ける。
ガラスの先からも、わずかだが黒点が大通りを占拠しているのが見えた。
しかし、これが人々の意思か…
目に見える現実にイーサンは奥歯をかみしめて顔をしかめた。

「クエサーから連邦の撤退を!」
「連邦至上主義は消えろ!」
さまざまな怒号が空へと向けて発せられる。
雪は止むことを知らず、徐々に地面に降り積もっていった。
それでもデモ行進は依然、連邦議会堂へと歩を進めていく。
その光景を窓越し、暖炉の前でくつろぎながら見守る一人の青年。
「ハーワン、君はデモに参加しなくていいの?」
柔和な表情で青年はカウンターのもう一人の青年ハーワンに声をかけた。
「反連邦組織だからって参加する義理はないさ。それに…」
真っ白いカップに真っ黒のドリップを注ぐと、暖炉の前の青年に渡す。
「ガキ共の面倒も見なくちゃいけないしな」
「相変わらず面倒見がいいんだね」
ドリップを口へと運ぶが、その苦みに思わず眉間にしわを寄せた。
「反連邦組織なのはお前も同じじゃないかプレイオス所属のジョシュア」
ふふっとほほ笑むが何も言わないジョシュア。再度、ドリップを口に運んだ。
「ハーワン」
「ん、どうした?」
「砂糖とミルクをくれないか?僕にブラックはまだ無理だったみたいだ」
思わず苦笑しながら、カップをハーワンへと差し出した。


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