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オークションの理論と実際: 金融市場への応用

8白書さん:2015/06/20(土) 01:17:02 HOST:i153-144-130-245.s61.a027.ap.plala.or.jp
ハ. 複数価格方式の方が望ましいとする研究

Simon [1994] は、1973〜74 年の米国で一時的に採用された単一価格方式のもとでのオークション結果を分析し、オークションと WI取引における利回りのスプレッドは複数価格方式のもとでのスプレッドより 7〜8 ベーシス・ポイント高いという、Malvey, Archibald, and Flynn [1995] や Malveyand Archibald [1998] とは逆の結果を得ている。この Simon [1994] の分析に対して、Malvey, Archibald, and Flynn [1995] は、1975 年 3 月以前、一部の例外を除いてオークション前の WI 取引が禁じられていたことを問題点として指摘している。

Hortaçsu [2002] は、トルコにおける入札参加者の個別データを用いて、構造推計アプローチによってモデルを構築・推計し、仮想的に複数価格方式から単一価格方式に移行した場合のシミュレーションを実施している。分析によると、複数価格方式の方が単一価格方式よりも、政府の得る収入が大きい。
また Goswami, Noe, andRebello [1996] は、実験を行うことによって、オークション前の入札参加者間の情報交換を自由にすると、単一価格方式における落札価格は共謀によって低下し、売り手の得る収入は複数価格方式における収入よりも小さくなることを明らかにしている。


ニ. オークション方式の決定要因に関する研究

Brenner, Galai, and Sade [2009] は、国債発行におけるオークション方式(単一価格方式と複数価格方式)の決定要因について分析している。彼らは、OECD に属する 48 ヵ国へのアンケートによって各国の採用しているオークション方式を調査し金融市場の発展度(GDP に対する資本総額、ビジネスのしやすさに関する指数)が高いほど、複数価格方式よりも単一価格方式を採用する傾向があることを見出している

Brenner, Galai, and Sade [2009] は、1991 年米国で、複数価格方式から単一価格方式への移行が議論されたときに、プライマリー・ディーラーが単一価格方式になると誰もオークションに参加しなくなると述べていたという新聞記事を紹介している。また、ディーラーが複数価格方式を要望するという事実は、現在の日本においても確認される。


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