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オークションの理論と実際: 金融市場への応用

7白書さん:2015/06/20(土) 01:11:21 HOST:i153-144-130-245.s61.a027.ap.plala.or.jp


財務省では、Malvey, Archibald, and Flynn [1995] や Malvey and Archibald [1998]が、1992 年以後の単一価格方式のもとでの 2、5 年債のオークション結果を、それ以前の 2、5 年債のオークション結果、同時期の他の年限の国債のオークション結果、および WI 取引結果と比較している。
分析の結果、彼らは、単一価格方式のもとでは、入札参加者はより積極的に入札しており、その結果、入札価格の分布が広がり、落札価格は高くなったと論じている

入札価格分布の広がりは、入札参加者が勝者の呪いをおそれず、より正直に自身の評価を申告したことを示唆しており、政府の国債発行収入の観点からみて望ましい。
また、政策当局としても、市場参加者のもつ幅広い情報を得られるという点で望ましい。
しかし、落札価格の変動が大きくなる傾向があるほか、Godbout,Storer, and Zimmermann [2002] は、金融政策分析が困難になる可能性を指摘している。

彼らは、カナダの複数価格方式のもとでの短期国債オークションを分析し、落札価格分布が広いほど、金利の期間構造モデルが成立しなくなる傾向があると論じている。
Goldreich [2003] は、単一価格方式のもとでも依然として、落札価格は流通価格より平均 0.32 ベーシス・ポイント低く評価されているものの、複数価格方式のもとでの落札価格は流通価格より平均 0.59 ベーシス・ポイントと約 2 倍低く評価されていることを明らかにしている。
Nyborg and Sundaresan [1996] は、WI 取引が活発に行われるようになってきたことを指摘し、オークション実施前の情報量が増大する結果、入札参加者の直面する不確実性が小さくなり、複数価格方式において生じやすいと考えられる勝者の呪いとショート・スクイーズの問題が軽減されていると論じている。

他国の例をみると、メキシコでは、短期国債のオークション方式が 1990〜93 年の短期間、複数価格方式ではなく単一価格方式が採用されていた。Umlauf [1993] は、
1986〜91 年のデータを分析し、主要入札参加者の間で共謀が発生していたこと、不確実性が大きいほど勝者の呪いをおそれて低い価格を提示する傾向があること、そして、単一価格方式への移行によって入札参加者の得る収入が消滅したこと(政府の得る収入が増大したこと)を確認している。

国債発行オークションではないが、ザンビアにおける外国為替オークション(米ドルへの換金)が単一価格方式から複数価格方式に移行したことに関し、Tenorio [1993] は、単一価格方式の方が複数価格方式よりも政府に高い収入をもたらしていたこと、それは入札参加者の数が増加したためであることを論じている。

最近では、実験経済学や、産業組織論の領域で発展した構造推計アプローチによるシミュレーションも活用され始めている

Heller and Lengwiler [2001] は、単一価格方式を採用しているスイスのデータを用いて、仮想的に単一価格方式から複数価格方式に移行した場合のシミュレーションを実施している。シミュレーションの結果は、単一価格方式の方が有意に望ましいことを示している。
また、Sade,Schnitzlein, and Zender [2006] は、実験を通じて、複数価格方式は共謀にさらされやすく、単一価格方式の方が売り手の得る収入が有意に大きいことを明らかにしている


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