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白書さん
:2009/11/07(土) 17:50:41 HOST:wcache1.waseda.ac.jp
IMF「改革」の現状と課題:
本当に変わったのか?
愛媛大学 大田 英明∗
2008年秋の国際金融危機発生を受けて途上国・新興国への支援ニーズの高まりなどを背景に、IMFがようやく自らの「改革」に乗り出してきた。
2009年3月から4月にかけてIMFは、①資金規模の拡大、②新興国を中心とした発言権(投票権)の拡大と配分、③融資スキームの改革などを柱にした改革を打ち出してきた。
こうした改革自体はIMFとしては過去10年間における最も大きな変革である。
資金規模は各国の基本となるSDRの配分を増額するのみならず、貸出可能額が5000億ドル増加し、従来の3倍の7500億ドルとなった。また、従来のスタンドバイ融資では各国のクォータ(払込割当額)の3倍まで自由に引出せる資金枠が増加した。
融資スキームでは、新たに中所得国向けに従来に比べ柔軟な貸出枠(Flexible Credit Line , FCL)を導入した。これは、事前の審査によって当該国は自由に限度なしに引き出し可能であり、従来のように3ヵ月ごとの審査をパスしなければ継続融資が受けられないという状況を避けることができる。また、融資条件のうち厳格なパフォーマンス・クライテリア(基準)[PC]は構造問題にかかわるものは廃止して目標値にとどめ、PCは金融・財政指標などを中心に限定することとなった。
このように、確かに過去10年間では最も本格的な改革に見えるが、本当にそうであろうか。これまでIMFの「公式見解」と実際の運営では乖離があることは過去にも指摘されてきた。上記改革方針が打ち出されたのは2009年3月であるが、2009年5月までの最近のMFプログラムをみる限り、内容はほとんど変わっていないようにみえる。例えば、ウクライナやキルギスのプログラムにおいても相変わらず緊縮政策のために財政資質削減が迫られ、金融財政政策の縛りが非常に厳格である。しかも厳格なパフォーマンス基準でなくとも目標値(「ベンチマーク」)として構造改革が示されているため、融資を受けるためには当該国は事実上遵守することが求められる。
一方、FCLも、現在までのところ対象国は比較的経済が安定しているメキシコ、ポーランド、コロンビアなどに限られ、実際にこれらの国々はまだ、IMFから融資を受けていない。FCLの問題は、事前審査に「パス」した国のみに認定が与えられるため、緊急時にも融資が適用されない恐れがある。
正式に上記「改革」の適用が実施されたのは2009年5月以降であるとされているため、当面見守る必要があるものの、長年のIMFの融資スキームは事実上ほとんど変わらない可能性が高い。しかも、根本的なIMF分析フレームワークの問題や根本的な国際金融システムのリストラといった大胆な改革は、依然として検討されていない。本報告では、最近までの「改革」の動きと問題点や今後の課題について検討する。
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