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白書さん
:2009/11/07(土) 17:48:25 HOST:wcache2.waseda.ac.jp
続)
一般に、マクロの流動性の増加は、経済主体の財サービスに対する需要の増加をもたらし――すなわち、需給環境をタイトにし――、インフレ率の上昇圧力を高める。しかし一方で、潤沢な流動性を背景に企業の資金繰りが改善すると、企業は、資本ストックのみならず、低価格による顧客ストックへの投資を拡大させるため、高成長のもとでも、実際のインフレ圧力の拡大は抑制される可能性がある。その結果、高成長かつ低インフレという見た目のマクロ経済環境が安定するもとで、投資家のリスクテイク姿勢が強まり、資産価格の上昇につながっていくものと考えられる。こうしたメカニズムが作用するもとでは、中央銀行がインフレ率の短期的な安定ばかりに目を奪われると、資産価格バブルなど「金融の不均衡」の蓄積を助長するといった意図せざる結果をもたらし得るという点で、注意が必要である。
-完-
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