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白書さん
:2009/11/07(土) 17:47:06 HOST:wcache2.waseda.ac.jp
〈金融政策パネル〉
政策運営の視点から評価したニューケインジアン・モデルの意義と限界
日本銀行 木村 武
本報告では、今次の世界的な信用拡張とその後の金融危機を踏まえ、ニューケインジアン・モデルの意義と限界について、主に、政策の効果波及経路と物価変動の動学的特性に焦点をあてて考察を試みる。
(金融政策の効果波及経路:リスクテイキング・チャネル)
ニューケインジアン・モデルに代表される近年の金融政策理論では、インフレ率や産出ギャップなどマクロ経済の安定化を達成するための最適政策の研究に力が注がれてきた。しかし、経済主体のリスク認識に関する内生的変化を考慮した場合、理論が処方するような最適政策によって、マクロ経済の安定化が実現すると、投資家のリスクアペタイトが次第に増加していくことがある。このため、様々なところで「金融の不均衡」が拡大し、将来における金融システムの不安定化(および、その結果としてのマクロ経済不安定化)のリスクを溜め込んでいく可能性がある。つまり、金融政策の効果波及経路において、リスクテイキング・チャネルの存在を踏まえ、中央銀行は、今日のマクロ経済の安定が、明日の金融システムの不安定をもたらす可能性について意識しておく必要がある。
ニューケインジアン・モデルでは、リスクテイキング・チャネルや金融システムの存在が考慮されていないため、直接には、この種の議論を行うことはできないが、同モデルの重要なメッセージの一つは、「民間部門のフォワードルッキングな期待形成を前提にしたコミットメント政策の有効性」である。この点を重視すると、中央銀行が「バブルは崩壊しないと、その発生事実を認識できないため、バブルが崩壊してから積極的な金融緩和で対応する」ことにコミットする――所謂「非対称アプローチ(Clean up mess afterwards)」を採用する――ことは、金融経済に大きな調整圧力を溜め込むリスクがある。なぜなら、そうした政策は、低インフレなど見た目のマクロ経済環境の安定が持続した場合、信用膨張やレバレッジの拡大など「金融の不均衡」が拡大しても、中央銀行は利上げを行わないことを約束する結果、低金利環境の持続を予測した経済主体のリスクテイクを積極化させ、バブルの規模を拡大させる可能性があるからである。
一方、中央銀行が「バブル崩壊後に発生する経済へのマイナスの影響の大きさを踏まえ、バブルの発生を回避すべく政策運営に努める」ことをコミットすれば――所謂「対称アプローチ(Careful leaning against the wind)」を採用すれば――、経済主体の過度なリスクテイクを抑制する方向に寄与すると考えられる。例えば、経済主体のレバレッジが上昇し、信用膨張が目立ち始めれば、仮に足もとのインフレ率が安定していても、引き締め方向に政策の舵をきることを中央銀行が予めコミットするとしよう。そうなれば、経済主体が低金利環境の長期化を予測することもなくなり、楽観的な期待に基づいたポジション構築を過度に進めるインセンティブは抑制されるであろう。
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