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2003研究する名無しさん:2021/03/14(日) 12:35:55
大学教授の僕が、12歳の息子に「自分みたいな大人になるな」と話す理由
ttps://news.yahoo.co.jp/articles/74347caea5c6c8a3178d9894a239113982174ca6

 うちには4人の子どもがいる。長男は12歳で末っ子は1歳。育児どまんなかの僕がずっと
ためこんできたことを今日は話そうと思う。

 それは、「子どもたちにどうやって社会を語ればいいんだろう問題」だ。

 僕は、最近よく、「俺のようになったらいけんよ」と子どもたちに言う。大学の教員は、
研究者であり、同時に教育者だ。そんな人間が子どもたちに「俺のようになるな」と言っている。
我ながら奇妙な話だと思う。

 理由はなにか。それは、自分たちと同じ生きかたを押しつけても、きっと彼らは幸せに
なれない、と心底、思うからだ。

 大学生のころ、「30歳で年収1000万円」とよく耳にした。それをふと思いだし、
「いま、30歳だと、いくらくらいもらえるの?」と学生に聞いてみた。返事はこうだ。
「600〜700万円くらいですかね」。僕が学生だったころから30年近くたつのに、平均年収が6〜7割? 衝撃だった。

 受験勉強を勝ち抜け、そうすれば、いい大学、いい会社に入れて、賑やかな街でゆたかに
暮らしていける――僕たち「団塊ジュニア」は、どの世代にも増して、この成功モデルを実践した。
努力の先に待つのは幸福だ、未来のためにいまを犠牲にするのはしかたない、そう教わり、そう信じていた。

 だけど、前を向く僕たちの後ろ側で状況はすっかり変わっていた。

 当時OECD加盟国中6位だったが日本の1人当たりGDPは、平成の終わりには21位に落ちた。
世帯収入がピークだったのは平成9年だ。バブル崩壊後の平均実質GDP成長率は1%に届かず、
いまでも設備投資は平成元年の水準におよばない。なにかの冗談か、と言いたくなるような衰退ぶりだ。

 経済が弱れば雇用も細る。僕の属する45〜54歳の層を見てみる。平成元年には正規雇用者の
25%しか非正規雇用者はいなかったが、平成最後の年には47%へとほぼ倍増した。
これと歩調をあわせるように、貯蓄は減り続け、努力と成功の象徴だったはずの持ち家保有率も目に見えて低下した。

 若年層(15〜24歳)の置かれた状況はさらに深刻だ。正規雇用に対する非正規雇用の割合は、
平成の間に25%から103%へと跳ねあがった。いまの若者は、雇用が保障されていないうえに、
45〜54歳という、子どもの教育に一番お金がかかる年齢になっても安定した職につきにくい。
こんな社会で彼らが子どもを欲しがるはずがない。

 親は親で子どもを不安にさらしたくはない。だから、子どもの数を減らし、産んだとしても、
子どもに投資するために、消費を削りに削って貯蓄にまわした。消費が減れば、当然、
経済は停滞し、雇用はいっそう不安定になる。

 団塊ジュニアの僕たちは、少しでもよい見晴らしを求めようと、山の高みをめざして突っ走ってきた。
だけどじつは、登っている山じたいが地盤沈下を起こしていた。頂上にたどり着こうともがき苦しんだが、
見晴らしがたいして変わらないことを知り、多くの人が落胆している。これが日本社会の現状じゃないか。

 かといって、頑張れば必ず報われる、という価値観からは逃れられないから、子どもたちに
現実を告げることもできない。日本経済は昔とは違うんだよ、もっと大事なことがあるよね、
そう薄々気づいてはいても、受験から降りろとは言いだせない。

 でも、大人の思いこみを擦りこまれる子どもたちは、たまったものじゃない。それなりの
学校に行けば幸せになれるから、そう言い含めて、細りゆく未来に恐る恐る我が子を投げだす。
とてもではないが、僕には怖くてできない。


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