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ホラーテラー作品群保管庫

94なつのさんシリーズ「Kとの出会い」2:2014/06/14(土) 01:15:34 ID:Hpd3syqU0
そんな鍵がついている様には見えなかったけどなあ、なんて思いながら、もう一度四方八方360度見てみたが、
やっぱり鍵穴なんて何処にも見当たらなかった。
「鍵穴も、何も見えないけど……」
するとKはさらに「うははは」と笑い、僕はさらにムッとする。
「ワリー、ゴメンゴメン。でもな、本当、鍵はちゃんと掛かってんだよ。親指くらいのちっちぇ南京錠だけどよ」
「でも、」
「まあ聞けよ。鍵はな、外側からじゃなくて、内側から掛かってるんだ」
「……え?」
一瞬、頭の全細胞が急ブレーキをかけて動くのを止めたかの様に、僕の思考がストップした。
ただしその停滞は気のせいかと思う程短く、一秒かからず回復し、僕の脳細胞は再び自分たちの仕事を再開する。
「それはおかしいよ。箱を閉じた状態で、内側から鍵はかけれない」
「まーそらそうだな。つっても俺からは、『内側からカギが掛かってる』 って、それしか言えないわけだが……。
 なあ、箱、振ってみ」
数秒躊躇してから、僕は箱を軽く振ってみる。コツ、コツ、と中で音がする。何かが入っているようだ。
「音がすんだろ。そいつが箱の鍵だ」
鍵のかかった箱の中にその鍵がある。あくまでもKは、内側からカギをかけたのだと言い張るつもりのようだ。
僕は僅かな時間、箱を見つめてそれからKを見やった。
「でさ。この箱を僕に見せてどうしようって言うん?なんか理由が分からんのだけど……」
Kがまた「うはは」と笑う。どうやらこの笑い方は彼のクセらしい。
ふとKの笑い声が止んだ。そして間を置かず、口元に笑みの跡が残ったまま彼はこう言った。
「○○(←僕の名前)はオカルトを信じるか?」
沈黙。僕の頭はまたもやフリーズしていた。気のせいじゃない。今度ははっきりと、たっぷり十数秒。
「……何?」
「何って、ただの簡単な質問だって。オカルトを信じるか、そうでないか。
 あなたは地動説を信じますか、ってな質問と同じレベルだろ」
僕はすぐには答えられなかった。
質問の意図が分からなかったからと言うのもあるが、それ以上に、
口元は笑っていたが、Kは至って真面目に、真剣に、この質問を僕にぶつけた。それが伝わって来たからだ。
僕の回答を待たず、Kが口を開く。
「『その箱が本当に内側から鍵をかけられているのか』 ってのは、
 まあ○○(←僕の名前)の立場からすれば、考え方、まー可能性だな、は三つあらーな」
Kが両腕を前に出す。右手はピース、左手は人差し指だけ立てて。
「まーず、一つ。俺が嘘をついている。こりゃ簡単。箱は糊づけでもされてて、中には石コロなんかが入っている。
 ま、無難な考えだ」
Kの右手の中指が下がる。両手共に残っているのは人差し指。残り二つ。
「そんで二つ目。確かに内側から鍵は掛かっているのだけど、何らかの現実的な方法・手段を用いて俺がそうした。
 ま、ミステリの密室トリックみたいな感じだなこれ」
僕は何か言おうとした。しかしKがそれを制して言う。
「ただし、だ。前提としてだな、その箱は、箱部分とフタ部分の二パーツだけ。
 んでもって、その二つのパーツは、一つの材木から削りだされてる。見てみな、つなぎ目、無いだろ?」
「じゃあ、蝶番は……」
「おっと、良いとこつくな。でも残念。蝶番はネジ止めされてるんだが、ネジは箱の内がわでナットでとめられてんだ。
 意味分かるよな?」


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