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ホラーテラー作品群保管庫

93なつのさんシリーズ「Kとの出会い」1:2014/06/14(土) 01:15:02 ID:Hpd3syqU0
大学に入学して間もない頃、僕は学科の新入生歓迎会を通じて、とある面白い男と知り合った。
そいつは名をKと言って、人懐っこくて陽気な男だった。
正直なところ僕は小中高と友達が極端に少なく、
だから大学生活が始まって早々、Kと言う友人が出来たことが素直に嬉しかった。

歓迎会は、街の中心にある市民ホールみたいなところのワンフロアを貸し切って行われていた。
まるで身に入らない学長の話が終わった後、当然ながらすでに仲良くなった者同士グループで固まっていて、
僕とKはフロアの隅の方で、しばらくの間二人だけで話をしていた。
しばらく「出身地は何処か」とか、「趣味は何か」など、取り留めも無い話をしていた。
そして、そんな話題もひと段落したころ。
Kがおもむろに「あそーだそーだ。見せたいものがあんだけどよ」と言って、
傍に置いていた自分のバッグから何かを取りだした。
Kが取り出したのは、立方体の形をしたナニカだった。
大きさは一辺が十センチ程度、両親が結婚指輪を入れている箱よりは一回りほど大きいと言ったところだ。
Kはそれを僕の傍ら、料理を並べているテーブルの上に置いた。
「さて、ここで一つ質問。こいつは一体、何だと思う?」
箱を指差してKは僕に尋ねる。
質問の意図がイマイチ良く分からなかったが、僕はとりあえずその塊を一通り眺めてみる。
上部に周囲を一周する切れ目と、一つの面に可愛らしい蝶番が二つついていたこので、これは箱なのだと見当付ける。
材質は木製のようで、木目以外の模様は見えなかった。
「……えーと、箱、だと思う。木の箱」と僕が答えると、Kは満足そうに「おーけーなるほど」と言った。
「正解だ。んじゃ、それ手に取ってみて」
言われた通り僕は箱を手に取る。その時、ことり、と箱の中から僅かに音が漏れた様な気がした。
「開けてみ?」
僕はフタの部分を手で押さえ、箱を開けようとした。
「……あれ?」
開かない。少し力を込めてみる、がやっぱり開かない。
どころかいくら力を入れても、箱とフタの間に僅かな隙間も作れなかった。
「開かないよ?」
するとKは面白そうに「うはは」と笑い、僕はちょっとムッとする。
「まー開かねーだろうな。だってそれカギ掛かってっから」
「鍵?」
言われて僕は、改めて箱を見直してみる。


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