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ホラーテラー作品群保管庫
80
:
なつのさんシリーズ「狐狗狸さん」2
:2014/06/08(日) 20:10:00 ID:BgaWrcjA0
僕は以前にも、この手の曰く付き物件にKと一緒に手を出して、非常に怖い思いをしたことがある。
それも一度や二度じゃなく。
「やろうぜ。こっくりさん」
それでも、気がつくと僕は頷いていた。
Kほどじゃないけども、僕もこういった類は好きな方だ。
十中八九怖い思いをすることが分かっていても。6・4で怖いけど見てみたい。分かるだろうかこの心理。
「でもこれ、元々女の子の遊びでしょうに。男二人でこっくりさんって言うのも、ぞっとしないねぇ」
「ゴチャゴチャ言うない。ほれ、十円だせよ」
「僕が出すのかよ」と愚痴りつつ、十円をヴィジャ盤の上に置く。
すると、Kがそれを紙の上部に描かれている鳥居の下にスライドさせた。どうやらそこがスタート地点らしい。
「あーそうだ。注意事項だ。最中は指離すなよ。失敗したら死ぬかもしれんしな」
Kが恐ろしいことをさらっと言ってくれる。
それでも幼児並みに好奇心旺盛な僕は、十円玉の端に人差し指をそっと乗せた。Kも同じように指を乗せる。
「……で、何質問する?」
「あー、それ考えて無かったな。まあ手始めに、Sがここにいつ頃来るか訊いてみるか」
Kは適当に思いついたことを言ったのだろうが、それは中々良い質問だなと僕は思う。二人ともに知りえない情報。
こっくりさんは果たしてどう答えるだろうか。
「でーはー、始めますか」
Kはそう言ってビデオカメラのスイッチを入れた。
「んじゃあ……はいっ。こっくりさん、こっくりさーん。Sはあと何分でここに来ますかねー?」
Kの間の抜けた質問の仕方が気になったけども、僕は邪念を振り払い十円玉に触れる指先に意識を集中させる。
と言っても肩の力は抜いて、極力力を込めないように。
十円玉はピクリとも動かない。
ふと、座布団に座る僕の腰に何かが触れた様な気がした。
視線を逸らすと、半開きの窓にかかるカーテンが僅かに揺れている。風だろうか。
「……おい」
Kの声。その真剣な口調に、僕ははっとして視線を戻す。けれども十円玉は赤い鳥居の下から動いていない。
Kを見ると、じっと自分の指先を凝視していた。
「……どうしたん?」
僕はゆっくりと尋ねる。
「なあ、この十円……ギザ十じゃね?」
「あ、ホントだ」
「こっくりさんに使った十円って、処分しなくちゃいけないんだぜ?もったいねー」
ふっ、と安堵の息が漏れる。十円玉は動かない。
それから少しギザ十の話になった。
コインショップに行けば三十円くらいで売れるとか、
昭和33年のものにはプレミアが付いているとか。でも使えば十円だとか。
そんなくだらない話をしている時だった。
部屋の戸が叩かれ、「おーい、来てやったぞ」と声がする。Sの声だ。
そうしてSは、返事も待たずに戸を開けて部屋の中に入って来た。
「よー……って何やってんだ、お前ら?」
僕とKは顔を見合わせる。
「何って、見たら分かるだろうがよ」
「面白いもんがあると聞いてやって来てみれば、だ。お前ら、しょうもないことやってんなよ」
「おいこらSー。こっくりさんのドコがしょうもねえっつーんだよ」
「見る限りの全てだ」
そう言いきると、SはKの部屋にある本棚を一通り物色して一冊抜き出すと、
「相も変わらず、お前んちロクな本がねえな」と言って、一人部屋の隅で読書を始めた。
僕とKはまた顔を見合わせる。Kは肩をすくめて、僕は少し笑う。
そうして僕はふと気付く。
十円玉の位置。さっきまでは、紙の上部の鳥居の下にあった。
数秒間、瞬きすら忘れていたと思う。
五十音順のかな文字の上に並んだ、一から十までの横の数列。その一番左。0の上に十円玉があった。
少しの間言葉が出なかった。Kも状況を察したようだ。
決して僕が故意に手を動かしたのではない。それどころか、何時そこまで動いたのか、僕は全く気付かなかった。
人差し指は変わらず十円玉の上に乗っていると言うのに。
僕はKを見やった。Kはあわてて首を横に振る。今度はKが何か言いたげな顔をしたので、僕も首を横に振った。
このままでは何もはっきりはしない。
僕はもう一度質問をしてみようと口を開いた。
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