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ホラーテラー作品群保管庫
75
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なつのさんシリーズ「河童井戸」3
:2014/06/08(日) 16:22:24 ID:BgaWrcjA0
ようするに、待機。
Kの言葉は予想出来ていたものではあったが、僕は「うーん」と唸って辺りを見回した。
廃村。ここで暗くなるのを待つと言うのは、中々ホラーチックで楽しそうではある。
もし一人きりなら、断固として遠慮したいところだ。
それからとりあえず、僕らはいったん車の方に戻ることにする。確認すると時刻は四時半だった。
Kが首尾よくトランプなど持ってきていたので、
極力草の生えていない処を選んで、フロントガラスにひっつけるカーサンシェードを敷き物代わりにして、ポーカーをやった。
結果はKがダントツでトップ。
次にインディアンポーカーをやってみた。結果はSがダントツでトップ。結局ポーカーでは僕は一つも勝てなかった。
「ところで、あの井戸についてなんだが……」
それは、ポーカーは止めて三人で大富豪をしていた時のことだ。Sが口を開いた。
それは何気ない、まるで独り言の様な口調だった。
「河童云々の部分は……、一体どういう話なんだ?」
自分の番でカードを捨ててから、Kが「あ?俺に聞いてんの?」と問い返す。「お前しか知らないだろ」とS。
「あー。そだな」とKは語りだす。
「昔、この村に住んでた一組の夫婦が、そこの川で河童を見つけたそうだ。
そんで、夫の方が後ろから棒でぶん殴って、ふんじばって村まで持って帰った」
「河童を?何で?」
僕の疑問に、Kは「うはは」と笑った。
「喰うためだとよ」
「マジでか」
「河童の肉には、不老不死の力があると信じられてたからな。
ま、それとも単に、腹が減ってたからなのかは知らねえけどよ。
そんで、いざ食おうとした時に、河童が気がついて逃げ出したんだ。
当然追いかける。河童は逃げる。で、逃げこんだ先が井戸だった、と」
「あれま残念」
「それから、村人は井戸に蓋をするんだけどよ、河童は三日三晩井戸の中で叫び続けたそうだ。
で、四日目の新月の夜。叫び声は止んだ。河童はお陀仏しちまったってわけだ」
井戸は地下水脈に直接繋がっているわけではない。
いくら泳ぎが達者な河童でも、出口が無ければどうしようも無かっただろう。
「井戸が枯れたのは、その後のことだそうだぜ。水が無くなっちまったんだ。
でも不思議なことに、新月の時だけは水が湧くんだとよ。河童水だな。
……これ、隣の村に住む爺さん情報らしいぜ。又聞きだけどな――ほい、革命!」
「革命返し」
「ぎゃー」
そんなこんなで、僕らはトランプをしたり、雑談したり、寄って来る虫を追い払ったりして、時間を潰していった。
そうして、気がつくと辺りは薄暗くなり始めていた。
こうなると後は早い。数分後にはもうトランプの絵もはっきりとは分からないほど、周囲に夜が浸透していた。
夜の山は暗い。何も見えない。虫、鳥の鳴き声。ガサガサと木の葉がすれている。
空に月は無い。
ぽっと灯がともる。Kがバッグからキャンプ用のガスランタンを取り出して、明かりをつけたのだ。
「行こうぜ」
僕もSも自分用の懐中電灯を持って、村の井戸に向かう。
三人とも無言だった。何となく、陽が射している時とは雰囲気が違う。
暗い。とにかく暗い。こんなに変わるものなのかと、僕は恐怖に近い違和感を覚える。
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