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ホラーテラー作品群保管庫
71
:
なつのさんシリーズ「公衆電話の夜」3
:2014/06/08(日) 15:53:24 ID:BgaWrcjA0
『男は出たか?』
「出てねー。……あ、でも、変な電話が掛かってきた」
『あ、ナニソレ?』
「今から帰るよ、って」
『男から?』
「たぶん。それから、すごい音がした」
『ふーん。今、窓には?』
僕は窓を見る。もちろん、何も無い。誰も居ない。
「異常なし」
『……じゃ、間違い電話じゃね?そんな噂聞いてねえし』
「うん……。何だか僕もそんな気がしてきた……」
それからKは『ああ、そうだそうだ』と、何か面白いことを思いついた時の声で言った。
『俺、これから、ある実験をしてみようと思ってんだけど。お前、携帯耳から離すなよ』
「……何すんの?」
『ま、それは聞いてからのお楽しみだ』
Kは何をたくらんでいるのだろうか。気になった僕は、じっと耳を澄ます。
その時だった。視界の隅で何かが動いた気がした。顔を上げる。窓。カーテンが僅かに揺れている。
ヤモリだろうか。いや、今のはそんな小さな動きじゃなかった。何だろう。
「……K?おーい、Kー?」
少し不安になった僕はKを呼んでみる。でも返答は無い。
「おーいー。誰かいますかー……」
まただ。窓の向こうで何かが動いた。
僕はベットから立ち上がり、窓の方へと近づいた。
心臓の鼓動が段々と早くなってくるのを感じた。
見間違いじゃない。僕の部屋の外に、何かがいる。
恐る恐る窓に近づく。そして僕は携帯を耳に当てたまま、カーテンを掴んで一気に開いた。
僕はその場に立ちつくす。携帯電話の向こうからKの声が洩れてきた。けれどそれは僕の意識まで上って来なかった。
外には何も無かった。誰も居なかった。窓の向こうには相変わらず黒く塗りつぶされた街の景色が広がっているだけ。
暗闇を背にしたガラスは、鏡の様に僕の部屋の中を映していた。
外じゃない。そいつは部屋の中に居たのだ。
僕の背後。窓とは反対側の玄関へと続くドアの傍に何かがいた。
振り向くことが出来なかった。心臓の鼓動がより早くなる。
服装で男だと分かったが、それ以上は無理だった。そいつにはちゃんとした顔がついていなかった。
まるで、出来の悪いスプラッター映画を見ている様な気分。
鼻から上が無い。そいつは顔の半分が欠如していた。無いのだ。文字通り無。目も無い、耳も無い。
でこも無い。ならば脳も無いのだろう。
そいつの口が動いた。ゆっくりと上下に開く。
『ただいま』
声はそいつの口から聞こえてきたのではなかった。僕の耳に当てた携帯から。もちろんKの声じゃない。
『ただいま』
ガラスに写るそいつの口の動きに合わせて、携帯電話の奥から声がする。
『今、帰ったよ』
ふつふつと脂汗が額に浮き出ているのが分かった。
もし今振り返ったらどうなるのだろう。部屋の中には何もいないのか。それとも……。
悲鳴が、叫び声が、喉の奥までせり上がって来ている。
『ただいま。……今、帰ったよ』
僕が悲鳴を上げようとしたその時だった、
『うるせえな今何時だと思ってんだこのボケが!!』
聞き覚えのある怒声が、僕の携帯を当てていた左の耳から右の耳へと貫通した。
「うわあっ!」
僕は飛び上がって悲鳴を上げた。
けれどそれは恐怖の悲鳴では無かった。
それからKの『うはははは』と言う笑い声が、電話の向こうから聞こえて来る。
気付けば僕は窓の傍に尻もちをついてひっくり返っていた
電話から聞こえてきた怒声はSの声だった。
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