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ホラーテラー作品群保管庫
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なつのさんシリーズ「公衆電話の夜」2
:2014/06/08(日) 15:52:41 ID:BgaWrcjA0
「……いた」
『マジでっ!?』
「ヤモリが」
『あ?……男の霊は?』
「いない。というか待て。待て。ちょっと遅いけど言わせておくれよ」
『おう』
「ナンダソレ」
『何が?あ、ヤモリ?』
「……違う。僕を餌に使うなよ、ってこと。そういうのは自分で体験して何ぼでしょうが」
しかしだ。なるほど合点がいった。だからKは今回一人でも大丈夫だったのだ。何せ怖い思いをするのは僕一人だから。
『まあ、いいじゃん。お前だって見たいだろ?ユーレイ。ってか、もう一度窓見てみ?今度は居るかもよ』
「さっきから窓見てるけど、誰も居ないよ」
代わりに、僕の視線に気づいてか、ヤモリが素早い動きで視界から消え去った。
『何だよ面白くねーなー。この電話から掛けると、必ず相手の絶叫が聞こえるって話だったのによー』
僕の絶叫が聞きたかったのかコイツ。
「……そんなに絶叫が聞きたいなら、Sにも電話掛けてあげれば?数打てば当たるかも知れないよ」
『そうだな。あ、でもよ、あいつ寝てる途中で起こされると、メッチャ不機嫌じゃん。ユーレイよりこええし』
「はは。まあ、確かにね。でもユーレイより怖いってのは、」
ガチャン。
「ちょっと……あれ?Kー?もしもしー?」
……ツー、ツー、ツー……、
どうやら電話が切れてしまったようだ。Kは二十円くらいしか入れてなかったのだろうか。
どうしよう。Kの携帯に直接掛け直そうか。
そんなことを考えているうちに、僕の手の中で携帯が振動する。
Kからに違いない。僕はそのことに、微塵も疑問を抱いていなかった。
けれども、ふと手が止まる。
携帯の画面。表示されているのは『公衆電話』か、Kの携帯番号だと思っていた。
読めなかった。表示が文字化けしていたのだ。こんなことは初めてだ。
ぶうーん、と携帯は僕の手の中で振動している。
僕は僅かに揺れるカーテンの向こうの窓を見た。何もない。見えない。ヤモリも。もちろん男など居ない。
そのまま窓を凝視しながら、僕は通話ボタンを押した。耳に当てる。
「もしもし?」
何か聞こえる。小さいけれども誰かが話している。
「もしもし?K?」
『……遅く……ごめ……』
Kじゃない?
微かに聞きとれるその声は、TVの砂嵐に似たノイズが混じり、断片しか聞こえなかった。
何だ?誰の声だ?
『……言うな……そ……』
男の声だと言うのは分かった。しかし、一体だれなのか。何を話しているのか。僕に向けられた声では無い。
『……今から帰るよ……』
次の瞬間、耳が壊れるかと思う程の何かがぶつかる様な音。
何かを引っ掻く様な音。何かが壊れる様な音。何かが割れる様な音。
そして何かが、柔らかい何かが潰れる様な音。
思わず僕は携帯を耳から離した。
音が無くなる。
再び携帯を耳に当てる。
『……ツー、ツー、ツー……』
電話は、切れていた。
何だったのだろうか、今のは。間違い電話だろうか。
……今から、帰るよ……。
最後の言葉だけはやけにはっきりと聞こえた。家に帰るつもりだったのだろうか。
その男はいつも仕事帰りにその公衆電話を使用し、ある日、仕事が終わって電話を掛ける前に……。
そこまで考えて僕は首を振る。妄想だ。そんなものは。
その瞬間、また携帯が震えて、僕は身構える。
しかし、今度はちゃんと画面に表示されている。Kの携帯からだった。
「もしもし……?」
『おっせーよ。とっとと出やがれこの野郎が』
Kの声を聞いて僕はほっとする。
そうしてからすぐに、何で僕が怒られなきゃいかんのかという疑問点に気付き、
無性にKのすねを思いっきり蹴ってやりたくなった。
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