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ホラーテラー作品群保管庫
65
:
なつのさんシリーズ「道連れ岬」1
:2014/06/06(金) 12:27:25 ID:bXavpRb60
深夜十一時。僕とSとKの三人はその夜、地元では有名なとある自殺スポットに来ていた。
僕らの住む町から二時間ほど車を走らせると太平洋に出る。
そこから海岸沿いの道を少し走ると、
ちょうどカーブのところでガードレールが途切れていて、崖が海に向かってぐんとせり出している場所がある。
崖から海面までの高さは、素人目で目測して五十メートルくらい。
ここが問題のスポットだ。
もしもあそこから海に飛び込めば、下にある岩礁にかなりの確立で体を打ち付けて、
すぐに天国に向けてUターンできるだろう。
そしてここは、実際にたびたびUターンラッシュが起きる場所でもあるらしい。
『道連れ岬』
それがこの崖につけられた名前だった。
僕らは近くのトイレと駐車場のある休憩箇所に車を停め、歩いてその場所に向かった。
「そういやさ。何でここ『道連れ岬』って言うんかな?」
僕は崖までのちょっとした上り坂を歩きながら、今日ここに僕とSを連れて来た張本人であるKに訊いてみた。
「シラネ」
Kはそう言ってうははと笑う。Sはその隣であくびをかみ殺していた。
「まあ、でもな。噂だけどよ。ここに来ると、なんか無性に死にたくなるらしいぜ?」
「どういうこと?」
「んー、俺が聞いた話の一つにはさ。
前に、俺たちみたいに三人で、ここに見物しに来た奴らがいたらしい。
で、そいつらの中で、一人が突然変になって、崖から飛ぼうとしたんだとよ。
で、それを止めようとしたもう一人も、巻き添え食らって落ちちまった」
「ふーん」
「……巻き込まれたやつはいい迷惑だな」
Sがかみ殺し損ねたあくびと一緒に小さくつぶやく。眠いのだろう。
ちなみに、ここまで運転してきたのはSだ。
そういうスポットに行くときはいつも、オカルトマニアのKが提案し、僕が賛同し、Sが足に使われるのだった。
「いや、実際いい迷惑どころじゃねーんだよな。実際死んだの、その止めに入ったやつ一人らしいし」
「はい?」と言ったのは僕だ。
だってそれは理不尽と感じるしかない。飛ぼうとした人じゃなくて、止めに入った人だけ死ぬなんて。
「詳しいことはそんなしらねえけどさ。多いらしいぜ、同じような事件」
「ふーん」と僕。
「……その同じような事件ってのは、どこまで同じような事件なんだ?」
興味がわいたのか、Sが訊く。
「うはは、シラネ。あんま詳しく訊かなかったからなあ……お、そこだよ」
話しているうちに、僕らはカーブのガードレールが途切れている箇所まで来ていた。
そこから先は、僕らの乗ってきた軽自動車が横に二台ギリギリ停まれる程のスペースしかない。
近くに外灯があったけれど、電球が切れかけているのか、中途半端な光量が逆に不気味さを演出していた。
ざん、と下のほうで波が岩を打つ音が聞こえる。
「誰もいねーな」
Sは心底つまらなそうだ。
「ま、他の噂だと、崖の下に何人も人が見えるだとか、手が伸びてくるだとか……」
と言いながら、Kがガードレールをまたぐ。
ガードレールの向こう側は安全ロープなども一切張っておらず、確かに『どうぞお飛びください』といった場所ではある。
「ちょ、おい。K、危ないって。いきなり飛びたくなったらどうするんだよ」
僕の忠告を無視し、Kは崖のふちに立って下を覗き込む。
「おー、すげーすげー」
この野郎め、そのまま落ちてしまえばいいのに。
「死にたくなったら一人で飛べよ」
Sはそう言って、崖に背を向ける形でガードレールに腰掛け、車から持ってきたジュースの入ったペットボトルに口をつけた。
僕はというと、どうしようかと迷った挙句、一応ガードレールを乗り越えて、何かあったときにすぐ動けるよう待機しておく。
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