したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ホラーテラー作品群保管庫

259霊柩車:2020/05/04(月) 03:12:50 ID:I8iUchik0
ところがドアに到達するその瞬間、
玄関脇の電話機がけたたましく鳴り始めたのです。
激しくドアを叩く音は続いています。
Kさんの足はピタリととまり動けなくなり、
両耳をおさえて叫び出したくなる衝動を我慢しながら、
勢いよく受話器を取りました。

「もしもし!もしもし!もしもし!」

「○○さんのお宅ですか」

意外なことに、
やわらかい男の人の声でした。

「こちら警察です。
実は落ち着いて聞いていただきたいんですが、
先ほどご両親が交通事故で亡くなられたんです。
あのう、娘さんですよね?
もしもし、もしもし・・・」
Kさんは呆然と立ちすくみました。
不思議なことに
さっきまでやかましく叩かれていたドアは、
何事もなかったかのようにひっそりと静まり返っていました。
Kさんは考えました。
もしかしてあの霊柩車は両親を乗せに来たのでしょうか?
おばあちゃんを連れに来たのでなく?
そういえば、
おばあちゃんはどうなったのだろう?
その時後ろから肩を叩かれ、
Kさんが振り返ると、
動けない筈のおばあちゃんが立っていて、
Kさんに向かって笑いながらこう言いました。


「お前も乗るんだよ」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板