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205
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くらげシリーズ「蛙毒 上」2
:2014/07/12(土) 16:16:02 ID:7TU1mP.c0
透明なペットボトルの中に閉じ込められた蛙は、
夏の強い日差しを浴び殆ど死にかけているか、もしくは既に死んで干からびていた。
Oが見つけたヒキガエルは、中で暴れたためか塀の上から落ちて日陰に転がり、運よく日差しを免れていたのだそうだ。
「そんなもん持ってくんなよ〜」
他の男子が冗談交じりにOを叩く。
するとOは、「ウケルと思ったんだよ」と言って、ニヤニヤ笑った。
「で、どーすんの、それ。あんたが飼うの?」
クラスで二番目くらいに気の強い女の子が尋ねた。そろそろ朝のHRが始まる時間だ。
「飼うわけねーだろ」とOは言う。
「じゃあ、逃がすの?」
彼女の言葉に、Oはまたニヤニヤと笑った。
「ちょっと、そこどけ」
Oは周りの人間を少しだけ後ろに下がらせた。
そして、ペットボトルの蓋の部分を両手で持ち、まるで打席に立ったバッターのように振りかぶった。
中の蛙は、いきなり天地を逆さにされ、なすすべも無く飲み口の部分まで転がる。
「ぱしゃ」とも、「ぺちゃ」とも聞こえた。
嫌な予感を感じる暇も無かった。
Oが蛙の入ったペットボトルをフルスイングしたのだ。
遠心力でペットボトルの底の部分に叩きつけられた蛙は、その大きな口から赤い塊を吐き出し、潰れて、死んだ。
悲鳴と短いうめき声が同時に上がった。
見ると、私の隣で、クラスで二番目に気の強い女の子が尻餅をついていた。Oはそれを見てケラケラ笑っている。
挙句の果てには、ペットボトルの蓋を開けて中の匂いを嗅ぎ、「うわ、くっせぇ」などと言って騒いでいた。
「どうせ干からびて死んでたんだしな」
Oの言葉だ。
だからといってここで殺す必要は何処にも無い。しかし、そんなことをOに言っても無駄だということは分かっていた。
私は、内蔵の飛び出た蛙の死体に対してではなく、O自身に対して気持ち悪さを覚えながら、
ただ軽蔑の視線を送るだけだった。
その後すぐにチャイムが鳴り、
蛙の死体が入ったペットボトルは、証拠隠滅のためOによって廊下側の窓から学校裏の林に向かって放り捨てられた。
とはいえ、Oのこのような問題行動は、私たちのクラスにとってありふれたものだったので、
HRでも問題には上がらなかった。
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