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くらげシリーズ「転校生と杉の木」6
:2014/06/26(木) 16:41:06 ID:TrdgkZJA0
翌日。私は登校中に、保育園に立ち寄った。
門の傍には一人の保育士がいた。私はその人に、前日に母に用意してもらった小さな花束を渡す。
杉の木の下に供えてくれるようお願いすると、
その年配の保育士は心得ているのだろう、一瞬嬉しそうな、それでいて寂しそうな表情をした。
「ありがとうね」
彼女は私に向かってそう言った。
私は一度だけ杉の木の方を見やったが、先生の姿はどこにも見えなかった。
保育園に背を向けて、私は歩き出す。涙は出ない。先生のための分は、どうやら昨日の内に出しつくしてしまったようだ。
学校までの道、小学校の校門の前で、私は見覚えのある黒いランドセルを見つけた。
彼だ。
その背に声を掛けようと口を開く。しかし言葉が出てこなかった。
足が止まり、私はその場で立ち止まる。
彼が抱える病気。
『近づかない方がいい』という彼の言葉。
私を見下ろしていた先生の目。
見える、ということ。
様々な言葉や事柄が頭の中を駆け巡り、その背を追いかけることを躊躇わせた。
覚悟。そう言ってもいいかもしれない。当時の私は、まだそれを持ってはいなかった。
だから、私が彼のことを『くらげ』と呼ぶ様になるのは、もう少しだけ先の話になる。
後ろから肩を叩かれた。
「ねえ、何ぼーっと突っ立ってんの?」
振り向くと、そこにはクラスメイトの女の子が、疑問符を頭の上に出して私を見やっていた。
若干慌てつつ、「何でもないって」と答えると、彼女はより不思議そうな顔をして。
「何かへんなものでも見たのー?」
そう言って屈託なく笑った。
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