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くらげシリーズ「転校生と杉の木」3
:2014/06/26(木) 16:39:26 ID:TrdgkZJA0
その日も家に帰って親に報告したが、やはり母も父もまともに取り合ってはくれなかった。
見間違いではない。自分の目に見えたものが何なのか。私は知りたいと思った。
彼が何か知っているに違いない。その考えは確信に近かった。
私は二度、白い靴を見た。一度目、二度目も、私の傍には彼の姿がある。
しかも、最初にあの杉の木を見上げていたのは彼なのだ。無関係とは思えない。
次の日、学校での給食の時間が終わり、昼休み。私は誰よりも早く教室を出て、廊下にて待機していた。
いつものように彼が教室から出てくる。私はその肩を捕まえた。
「ちょっと話をしないか」
彼は無言のまま私を見やった。相変わらず表情は乏しい。迷惑と思っているのだろうか。
いずれにせよ、中々返答しようとしない彼に、私は自分の中で一番優しげな笑顔を作ってみせた。
「いいよ、って言うまで付きまとうから」
彼は俯き、小さく息を吐いた。
「……いいよ」
人気の少ない中庭に場所を移す。
二人で階段を下り、上履きから靴に履き替え外に出た。
睡蓮の葉が浮かぶ丸い池のふちに腰かけ、単刀直入に、前置きも何も入れず、私は切り出した。
「あの白い靴と足は、何なんだよ」
「分からないよ」
対する彼の答えもシンプルだった。
そうして彼は、「僕は、あの人のことを知らないから」と続けた。
『あの人』。先日もだ。彼は確かにそう言った。『それ以上は、見ない方がいい』とも。
きっと足だけでは無いのだ。その上がある。そして、彼にはそれが見えている。
「あの人って……。人があんなとこで、何してるんだよ」
私の問いには答えず、彼は池の中心にある噴水の方を見やった。
「もう、僕に近づかない方が良いよ。君は特に」
意味がわからない。私は口を開きかけたが、彼の言葉の方が早かった。
「僕は病気だから」
それはまるで、原稿を読み上げるニュースキャスターのように。彼の口調はあくまで淡々としていた。
「……病気?」
「君は、家のお風呂に、くらげが浮いているのを見たことある?」
一瞬、質問の意味が分からなかった。じっくりと考えた末に、私は黙ってかぶりを振った。
風呂に浸かるくらげ。そんなもの、見たことあるわけがない。
「僕は、そういうのが見える病気だから。君が見た白い靴や足とかもそう」
『自称、見えるヒト』というわけだ。しかし彼は、その原因を自ら告白した。
病気。
それは私の体験した全てを説明できなくとも、何かしらの説得力を持っていた。
少なくとも、たまにTVに出てくるナントカ霊能力者。
彼らの様に、何の説明もなく、幽霊やその他が見えると言われるよりも、はるかにずっと。
「君は、僕の病気が伝染ったんだよ。たまにそういう人いるらしいから。……君は前から見えてたわけじゃないんでしょ?」
伝染病。あの白い靴が見えたのは、彼の病気が私に伝染ったからだと彼は言った。
私は彼と同じ病気に罹ったのだろうか。
傍から見ても狼狽していたのだろう。私を安心させるためなのか、彼は辛うじてそうしたと分かる程度に小さく笑った。
「でも大丈夫だよ。その病気は、僕に近づかないようにすれば、自然と治るから」
私は何も言うことができなかった。
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