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ホラーテラー作品群保管庫
188
:
くらげシリーズ「みずがみさま」3
:2014/06/26(木) 16:36:11 ID:TrdgkZJA0
夕飯はカレーだった。但し、ここで作ったものでは無い。母が家から鍋ごと持ってきたのである。
しかも飯盒も米も無いので、別の鍋でうどんを茹でて、カレーうどんという体たらく。
何故キャンプに来て、昨日の残りのカレーを食べなければいけないのだ。何故白米が無いのだ。
ここでも結局、私のみがブーたれていた。
食事の後は、焚き火の光を目印に集まってきた虫達と一緒に、夜の景色を眺めたり、誰かと適当に話をしたり、
父のウィスキーを少しなめさせてもらい、母に怒られたりした。
時間は驚くほどゆっくり流れ、
夜空にはどこも欠けることのない満月と共に、
今にも落ちてきそうな、もしくは逆にこちらが吸い込まれそうな、満天の星空が輝いていた。
酒のせいか、いつテントに入ったのかは覚えていない。気がつけば、私は寝袋を敷布団にして仰向けに寝転がっていた。
右を見ると父と母が、左にはくらげが少し離れたテントの隅で、まるでカブトムシの幼虫の様に身体を丸めて眠っていた。
どうして目が覚めたんだろう。
外の焚き火は消えている様だった。辺りはしんと静まり返り、虫の鳴き声が唯一、静寂を一層際立てていた。
私は上半身を起こした。寝起きだというのに、何故か自分でも驚くほど目が冴えていた。
目だけじゃない。五感がこれ以上ない程にはっきりとしている。
何か居る。
ほとんど直感で、私はその存在を認識していた。テントの外に蠢く何かが居る。
直感に次いで、這いずる音が聞こえた。
その内、不意にテントの壁に大きな影が映った。私の背よりは大きくないが、横にかなりの幅がある。
そいつはテントの周りをのそのそと、入口の方まで移動してきた。
私は無意識の内に、テントの入り口に近寄っていた。
二重のチャックは二つとも閉じている。薄い布二枚隔てた向こうに何かが居る。
不思議と、熊かも知れないとは思わなかった。
そいつの足か、もしくは手がテントに触れた。でかい身体の割には随分と細い手足という印象だった。細くて、先が鋭い。
みずがみさま。
ガジガジガジガジ、とまるで錆びた金属同士をこすり合わせたような、そんな音がした。
鳴き声だろうか。そうだとしたら、そいつは熊ではあり得無い。
私は手探りでテントの中に転がっていた懐中電灯を見つけ出した。
片手に握りしめ、もう一方の手でゆっくりと出入り口のジッパーに手をかけた。
じりじりとジッパーを下ろしてゆく。片手が入る程の隙間。その隙間に、私は光のついていない懐中電灯を向けた。
スイッチを入れようとした。
その瞬間、突然後ろから肩を掴まれた。
驚く間もなく口を塞がれる。
「……静かに」
耳元でもようやく聞こえる程の小さな声。くらげの声だった。
いつの間に起きていたのだろうか。後頭部から彼の心臓の鼓動がはっきりと聞こえていた。自分の心臓の音も聞こえる。
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