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175
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くらげシリーズ「死体を釣る男」1
:2014/06/26(木) 16:22:26 ID:TrdgkZJA0
中学時代のある日のことだ。その日、私は朝から友人一人を誘って、海へと釣りに出かけた。
当時住んでいた街から山一つ越えると太平洋だったので、子供の頃は自転車で片道一時間半かけ良く遊びに行った。
小学生の頃はもっぱら泳ぐだけだったが、中学生になって釣りを覚えた。
待ち合わせ場所である街の中心に架かる地蔵橋に行くと、友人はすでに橋のたもとで待っていた。
彼はくらげ。もちろん、正真正銘あの海に浮かぶ刺胞動物というわけでは無いし、本名でもない。
くらげというのは彼につけられたあだ名だ。
私は中学の頃オカルトにはまっていたのだが、そのきっかけがくらげだった。
くらげは所謂『自称、見えるヒト』だ。
なんでも、自宅の風呂にくらげがプカプカ浮いてるのを見た日から、
彼は常人には決して見えないものが見えるようになったらしい。
「僕は病気だから」と彼はいつもそう言っていた。
しかし、くらげと一緒にそういう『いわく』 のある場所に行くと、たまに微かだが、私にも彼と同じモノが見える時があった。
くらげが言う病気は、他人に感染するのだ。
「わりぃ、待たせた。んじゃ行くか」
私が言うと、くらげは黙って自転車に跨った。
釣竿は持っていない。彼は釣りをやらないのだ。理由は聞いたことは無かった。
「見てるだけでも良いから来いよ」 と言ったのは私だ。
くらげを誘ったのにはわけがある。それは、これから行こうとしている場所には、とある妙な噂話があったからだ。
曰く、近くの漁村に、死体を釣る男が居るという。いわゆる都市伝説だ。
自転車での山道。私は意地で地面に足をつけずに砂利道を上った。
くらげは自転車を押しながら、後ろからゆっくりとついて来ていた。
峠を越えると突然、眼前眼下に青い海と空が広がる。
純白の雲が浮かぶ空はうららかに晴れていて、風は無い。辺りに潮の匂いがまぎれている。
上りで汗をかいた分、猛スピードで下り降り、向風で身体を冷やした。
小さな港から海に突き出ている防波堤。
近くの松林の脇に自転車を置き、私たちはコンクリートの一本道を、歩いて先端まで向かった。
防波堤は全長五〜六十メートルといったところだろうか。途中で、『く』 の字に折れている。
防波堤の行き止まりに到着した私は、その場に座って仕掛けを作り始めた。
波は穏やかで、耳を澄ませば、ちゃぷちゃぷと小波が防波堤を叩く音が聞こえる。
ふと隣を見やれば、くらげは防波堤の縁に座り、海の上に足を投げ出していた。ぼんやりと遠くの方を眺めている。
何を見てんだ。そう訊こうとして、やめた。きっと何も見てやしない。
「おーいくらげ。お前、死体を釣る男の話って、聞いたことあるか?」
くらげは海の方を見たまま首を傾げた。
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