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ホラーテラー作品群保管庫
142
:
なつのさんシリーズ「やまびこ」2
:2014/06/14(土) 20:47:52 ID:Hpd3syqU0
そうして俺たちが祭りに参加して一時間ほど経った頃だった。
『時間になったので、子供たちは集合してください』
突然辺りに拡声器の声が響いた。
それを合図に辺りから子供が集まって来る。
どうやら、おじさんが言っていた行事がこれから始まるらしい。
俺と姉貴は顔を見合わせた。
「……どうする?」
「行くに決まってるでしょ。おもしろそうじゃん」
やっぱりか。
行くと、何やら番号のついたカードを渡された。
子供たちは渡されたカードの番号の下、幾つかの班に分かれることになった。
集まっていたのはほとんどが小学生くらいの男の子で、他に数人、お守役なんだろう、姉貴と同い年くらいの男子がいた。
俺と姉貴は同じ班になった。
といっても、子供たち全員が一斉に山に登るのだから、班の意味はあるのだろうかと、その時は思った。
今考えると、お守役の子の負担を考えてということだろうが。
ダム湖横の広場から、山頂に続くという細い山道を一列になって歩いた。
列の途中途中にいるお守役の兄ちゃんが提灯のような明かりを持っていたので、そう暗くはなかったが、
祭りの明かりから離れるにつれ、夜の山の雰囲気は不気味さを増していった。
俺は知らぬ間に、前を行く姉貴の裾を掴んでいた。
虫や鳥の鳴き声以外、誰も声を出さなかった。まるで肝試しだ。
女の子がほとんどいないことにも、これで納得だ。こんなとこに来る女の子なんてのは、よほど変わり者か物好きだろう。
その物好きは、俺の前でさっきから全く喋らずに黙々と歩いている。
こんなに登るのかと内心愚痴る程、道は急で長かった。
随分高いとこまで来ただろうと思ったところで、いきなり開けた場所に出た。
一枚の大きな岩が山肌から突き出ていて、俺たちはその岩の上にいるようだった。
周りは落下防止用のフェンスで囲まれている。
お守役の男子の一人が俺ら姉弟を含めついてきた子供たちに、「今からあそこで叫ぶんだ」と説明した。
カードに書かれた番号順。俺と姉貴は最後の方だった。
暗くてよく分からなかったが、岩の向こうは谷か崖のようだった。その向かい側、遠くかすかに黒い山脈の影が見える。
最初の男の子が、岩の先に立ってありったけの声で叫んだ。
よく聞き取れなかったが、ゲームか何かが欲しいと叫んだんだろう。
若干のタイムラグの後、その声はしっかりとしたやまびことなって返って来た。
「……誰の声だろ?」
隣の姉貴がぽつりと呟く。
俺はてっきりさっきのやまびこのことだと思い、「誰って、やまびこじゃん」と若干馬鹿にしたように言った。
しかし姉は、俺の話を聞いていないようだった。辺りをきょろきょろと見回している。
そうこうしている内に、二人目、三人目と子供たちは順番に叫んでいった。
意中の子へのありったけの想いを叫ぶ男の子もいた。
その全てが、やまびこになって返って来る。
「やっぱり聞こえる。……違う。誰。誰?」
そうしてやまびこが返って来る度に、姉貴の様子はおかしくなっていった。
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