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ホラーテラー作品群保管庫
128
:
なつのさんシリーズ「言伝」3
:2014/06/14(土) 20:33:51 ID:Hpd3syqU0
「……K?」
僕が呼んでも反応は無い。
それからKはふらっと立ち上がると、男の身体越しにガードレールを掴み、そこに人指し指を当てた。
何かを書いている様だった。
不安になった僕はKに近寄り、その肩を掴んだ。
その瞬間、何か電気の様なものがKの身体を通じて、僕の足の先から頭のてっぺんまで走り抜けて行った。
驚いて思わずKの肩から手を放す。同時にKが僕の方を振り向く。
「……いちよんななきゅう」
「え?」
唐突にKが言った。
「おい……、『いちよんななきゅう』 って何だ?それに、『みさき、ゆか』 って何だ。人か……?」
いきなり矢継ぎ早に質問され僕は狼狽する。僕にはKが何を言っているのかも分からない。
その思いが顔に出ていたんだろう。Kもはっとした表情になる。
「何してんだ?」と横からSの声がする。
「……いや、何でもねえ。……わりい。俺もまだ何が何だか分かんねえから……」
そうしてKは僕の方を向いて、
「ちょっと代わってくれ。頭がガンガンする……」
目の辺りを押さえ未だフラフラしながらKはその場を離れた。
残された僕は、Kが先程掴んでいたガードレールを見やる。
そこには赤く掠れた血文字で、辛うじて『1479』 と書かれていた。
それから僕はKと交代して救命処置を行った。Sの言った通り男は確かに冷たかった。
救急車と警察がやってきたのは、僕がKと代わってから五分程経った後ことだった。
男が担架に乗せられ運ばれて行くのを横目に、僕らは警察の質問に答えた。答えていたのはもっぱらSだけれど。
三人とも訊かれたのは氏名と住所。
もっと面倒なことになるのかなと思っていたのだけれど、しばらくすると警察に「もう帰ってもいいよ」と言われた。
僕ら三人は顔を見合わせて、黙って車に乗りこんだ。
やるだけやったという思いも無く、僕らはただ疲弊していた。
帰り道、車内にはなんの会話もなかった。
それから二,三日経った日の朝のことだった。突然Kから電話が掛かって来た。
黒いスーツを持ってないかということだった。
どうするのかと訊いたら、『葬式に出る』 と言い、
誰の葬式に出るのかと尋ねたら、あの事故に遭った男性の葬式だとKは答えた。
『言わんといけないことがあるからな』
車はSが出してくれるらしい。
Kがどうするつもりか気になった僕は、スーツを貸す旨と、自分もついて行くとKに伝えた。
葬式の会場は、偶然にも僕らが事件の日に訪れた廃マンションのすぐ近くだった。
すでに多くの人が集まっており、僕とSを車に残してKは一人会場の中へと入って行った。
「どうしたんだろ。K。……Sは何か聞いてる?」
「いや」
行きの車の中、Kは何事か考えている様でずっと無言だった。ただ単に車に酔っていただけかも知れないけれど。
車の中で待っていると、思ったよりも早くKは戻って来た。
ドアを開け、気だるそうな動作で後部座席に座ると、「……あーあ」と呟き、
「……おう、悪かったな、付き合わせて。ほれ、帰ろうぜ」と言った。
Sは何も言わず車を出した。
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