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ホラーテラー作品群保管庫

117なつのさんシリーズ「うじの話」1:2014/06/14(土) 01:39:10 ID:Hpd3syqU0
僕の友人にオカルトの類に詳しく、にも拘らずオカルトと聞くと鼻で笑い飛ばす、Sという奴が居る。
ある日そのSに、「今まで生きてて一番怖い体験は何か」と訊いてみた。
するとSは読んでいた本から僅かに顔を上げて、いつもの興味無さそうな表情でちらりとこちらを見やり、
「一番って……、いちいち順位なんて決めてねえよ」と言った。取り付く島も無いとはこのことか。
「それじゃあ、最近一押しの怖い話とかは?」
僕は負けじと質問を重ねる。
Sは僕に向かってハエでも追い払うかのように手を振った。
それから何か言おうとしたようだが、ふと開きかけた口を閉じて、考える様なそぶりを見せた。
「……なるほど、怖い話か」とSが呟く。
その口調に何やらとても嫌な予感がした。
「一応訊くが、これは相当ヤバい話だ。最後まで聞く覚悟はあるか?」
そこまで言うか。僕は一瞬迷ったが頷く。
「そうか」
ゆっくりと本を閉じ、Sは話し始めた。
「実際に起こった事件だ。数ヶ月前、近くの街で、一人の女子大生が自殺した。それに関わる話だ」

以下しばらくSから聞いた話になる。
………………
大学二年の夏だった。今はもう辞めているんだが、当時俺は駅前の居酒屋でバイトをしてた。
そこで何時だったか、バイト仲間で飲み会をしようって話になった。
場所は一年上の先輩が住んでるアパート。
その人は俺がドリンカー(※裏方でお酒を作る人)として色々教わった先輩だった。
俺らと同じ大学の先輩だ。お前も見たことぐらいはあるだろうな。
自分で言うのも何だが、無愛想な俺にも普通に接してくれる人だった。八方美人と言えば言い方は悪いが。
おそらくその先輩からの誘いじゃなかったら、俺は飲み会なんか断ってたと思う。

当日。集まったメンバーは六,七人だった。
宅飲みだからとことん安上がりにしようってことで、
各自スナック菓子やらチューハイなんかを買い込んで、先輩の家に持ちよった。
飲み会は確か夕方の六時に始まって、七時を過ぎる頃にはもう周りは全員酔っぱらいと化していた。
その内、きっかけは忘れた。とにかく、先輩が昔付き合ってた女性の話をしだした。
何でもその女は隣町の大学生で、随分前に別れたそうだが、相手が納得せずしつこく付き纏われ、
いわゆるストーカーになってしまったらしい。
その話は前に先輩から聞かされ知っていた。飲み会から数日前の話だ。
「俺は、どうすればいいだろう?」と相談を持ちかけて来る先輩は、真剣に悩んでいる様に見えた。
その時俺は、「誰これ構わず、愛想を振るから……。勘違いする奴が出てきて当然ですよ」と答えた。
我ながら冷たい返答だとは思うが、先輩は納得したようで、「そっか、やっぱりそうだよなあ」なんて言っていた。
後で知った話だと、先輩は他のバイトメンバーにも、同じような相談をしていたようだ。


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