[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
ホラーテラー作品群保管庫
105
:
なつのさんシリーズ「ふくろさん」2
:2014/06/14(土) 01:25:58 ID:Hpd3syqU0
「ほれ、これが電話で言うた『ふくろさん』 よ。まずはどういうもんか、よう見とき」
どうやら目的のものはこの社の中にあるらしい。神主さんに促され僕らは社の中を覗く。
両開きの扉の奥、そこには何やら奇妙な物体が置かれてあった。
『ふくろさん』
名の通り、それは袋だった。
材質は麻だろうか。薄茶色をした人の頭ほどの大きさをした袋。上部を赤い紐で縛っている。
それだけなら、何だか良く分からないモノで済んだのだが、
異様だったのは、その袋の接地面を除いたありとあらゆる箇所に、『針』 が刺さっていることだった。
待ち針も縫い針も長い針も短い針も、様々な針があった。
「さっきは『ふくろさん』 っていうたけんど、名前なんてあって無い様なもんやけぇ。これには。
うちの親父なんかは、ハリネズミさま、ハリネズミさま言うとったわ」
社の屋根に手を乗せて神主さんが言う。
「こいつに針を刺すと、過去の罪とか過ちが消えるって言い伝え、本当ですか?」
Kの言葉に、僕は針だらけの袋を見やった。なるほど、只の袋では無いと言うことか。
でも、そんな言い伝えがあるような大層なモノには見えないのだけれど。
「そうな。言い伝えがあるんはほんまよ。信じるか信じんかは人次第やけんど。
村のジジババらあはまだ信じとって、刺しに来るもんもおらあな。
……君らも刺すか?何かやましいことでもあるんやったら」
僕らは互いの顔を見合わせる。僕は首を横に振って、Kはへらっと笑い、Sは小さく肩をすくめた。
三人ともやましいことなど何も無いと思っているのだろう。バチ当たりな連中である。
「はっはっは。ほうかほうか。真っ当な人生を送りゆうようで何より何より」
そう言って神主さんは可笑しそうに笑った。
「じゃあ、私はちょっくら向こうの方を掃いてくるきよ。なんか聞きたいことがあったら呼びんさい」
神主さんが本殿の方へ行ってしまい、残された僕ら三人は、改めて社の中の『ふくろさん』 をじろりじろりと観察していた。
「針を刺すと過ちを払う袋、か。初めて聞いたな」とSがぽつりと呟く。
「『ふくろさん』 って名前がどうもなあ。それだと頭に『お』 をつけたらお母さんになっちゃうし」と僕。
「正式な呼び名は無い、って言ってたろ。その『ふくろさん』 も、参拝客の間で広まった名前だろう。
……で、結局のところだ。俺らは今日、この袋をただ拝みに来ただけってことか?」
そう言って、SはKの方を見やった。
それは僕も思っていた。
確かにこの幾本も針の刺さった袋は異様ではあるけれど、Kのオカルトアンテナに反応する程の物件では無い気がする。
言ってしまえば、この袋はそこらの寺に置かれている仏像とさほど変わりはない。
Kは「うはは」と笑う。
「んなわけねーじゃん。それと、今日拝みに来たのはこの袋じゃねーよ」
そしてKは僕とSの胸ぐらをつかみ自分の方へと引き寄せると、
「拝みに来たのは、この袋の中身だ」
囁く様な声でそう言った。
袋の中身。
僕は何となく綿でも詰まっているのだろうくらいにしか思っていなかったのだけれど、
Kの口調からすると、まあ綿ではないみたいだ。
「この袋には噂があるんだよ。針を刺した瞬間袋が動いたり、鳴き声を上げたり。
……中には動物が入ってんじゃねえかってな。
火の無いところにゃ煙は立たず。本当に動物か、もしくはそれ以外か……」
その瞬間、辺りに何かの鳴き声が響いた。僕は思わず社の中の袋を見る。
けれども鳴き声は頭上からで、鴉だろうか、黒っぽい鳥が一羽空へと飛び立っていった。
「……どうやって、見せてもらうのさ」
一つ息を吐いてから僕はKに尋ねる。
先程話した印象では神主さんは気さくな人柄だったが、そうやすやすと自分のところの御神体を見せてくれるだろうか。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板