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ホラーテラー作品群保管庫
104
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なつのさんシリーズ「ふくろさん」1
:2014/06/14(土) 01:24:09 ID:Hpd3syqU0
大学二年の春だった。
その日僕は、朝から友人のKとSと三人でオカルトツアーに出掛けていた。
言いだしっぺは生粋のオカルティストK君で、移動手段はSの車。いつもの三人、いつものシチュエーションだった。
車は今、左右を山と田んぼに挟まれた田舎道を走っている。車を運転しているのはSだ。僕は助手席、Kは後部座席。
目的地は、地元から二時間ほど車を走らせた村にあるという神社だった。
Kの話によると、何でもその神社は、ある奇妙で面白いモノを『神』 として祀っているのだそうだ。
「それってさ、僕らが行って見せてくれる様なモノなん?」
「……うーん? あー、……そこはだな、大丈夫じゃね。……たぶん」
後部座席から具合の悪そうな口調。Kは車に弱いタチなのだ。
「神主にはもう連絡とってあっからよ……。
俺ら三人……、民俗学的な興味でやって来た、真面目な学生ってことになってっから。
……あー駄目だキモヂワリー……」
オカルトツアーは今までに何度も経験したが、僕らはそれが必要な場所は事前にアポを取る様にしている。
話をつけるのはKだ。大抵無下もなく断られるが、今回の様にOKの返事がもらえることもある。
まあ、許可が下りない時だって、『やるだけやった』 ってことにして結局行くのだけれど。
「でさ、その神社には何が祀られてるん?」
後ろを見やると、丁度Kの身体が横向きにバタリと倒れた。そのままの状態でKは言う。
「……袋だ」
「袋?」
僕は訊き返す。その神社は袋を祀っているのだろうか?
「あーうー、……いや、何か袋持ってね?やべ、吐きそう、っぷ」
運転していたSが黙って道の脇に車を停めた。
Kはヨロヨロと外に出て行き、林に少し入ったところで、今朝食べたナニカと感動の再会を果たしたようだった。
それからしばらく走り、村に着く。山間に造られた小さな村で、神社はすぐに見つかった。
入口には石の鳥居。近くの路肩に邪魔にならない様駐車して、僕らは外に出た。
Kもどうやら息を吹き返したようだった。
「間違っても境内では吐くなよ。まがりなりにも神の居るところだ」
SがKに向かって言う。
「……吐かねーよ。もう腹ん中になーんも残ってねえし。ってかお前、そんなん信じる奴だっけか?」
「郷に入れば……って奴だ。それに俺らは今、民俗学専攻らしいしな」
鳥居の向こう側には、自転車で行けるんじゃないかってくらいなだらかな階段が木々の間を伸びていて、
その奥に拝殿らしき建物が見えた。
鳥居をくぐって参道に入る。
頭上には周りの木々の枝と葉が陽の光をいくらか遮っている。木漏れ日。風が吹く度にさわさわと足元の影は形を変える。
吸い込む空気がどこか違うもののように思えた。
参道で一人の腰の曲がった老婆とすれ違った。彼女は僕らを見とめると、しわの刻まれた顔で微笑み会釈した。
僕は軽く頭を下げ、Kが加えて「ちわー」と声を掛ける。参拝客だろうか。
境内はあまり広くない。拝殿と、その後ろに本殿。
参道から向かって右側には、水で手や口を清める場所。水盤舎というのだったか。
その隣には、人の背丈よりは大きい程度の社があった。
社の近くに箒を持って掃除している人が居た。
男性。歳は四十後半だろうか。上は青いジャンバー、下はジャージとラフな服装だった。
「ああ、君らかえ。電話くれたんは」
僕らを見つけると、彼は穏やかな笑顔を浮かべてそう言った。ということは、この人がここの神主さんなのだろう。
想像していたより若い。
互いに自己紹介を済ますと、普段は農家でゆず等を作っているらしい神主さんは、箒の柄の部分で隣の小さな社を指した。
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