したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

怖い話Part2

730『玉の緒(上)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/01/12(日) 22:53:35 ID:cgwJRcZ20
 「R、さん。」
小さな声。俺を見つめて首を振る姫の両目から、大粒の涙が溢れた。
「紫はLより2つ年上で、何度か一緒に舞を奉納したことがあるの。
とても素直で、良い娘だった。数少ない、Lの友達。 なのに何故?今でも信じられない。」
「Lさん、御免なさい。事情を知らなかったので酷い言い方を。」
「いいえ、事実は事実ですから...私。」
姫は席を立ち、リビングを出て行ってしまった。一体、俺はどうすれば?
「R君、これから暫く夜はLと一緒に居てやって。あの子、かなり辛いと思うから。」
「でも、さっき僕があんな言い方を。」
「今度の事はあなたのせいじゃないでしょ。あなたからその話題に触れなければ良いの。
今、Lを支えられるのはあなただけ。頼んだわよ。」

 その夜、姫は俺の腕の中で、何度か涙を流した。
その度、姫を抱きしめたり、背中をさするくらいしか俺には出来なかったが、
それでも姫は少しずつ落ち着いているようだった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板