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八木橋裕子の物語の感想スレ

269たたみ:2015/12/10(木) 00:17:25
(これを最後とさせていただきます 本当に申し訳ありません)

私は男性で、サイボーグフェチであります。
私の男性的視点でのサイボーグのイメージは、特別になりたい・ヒーローになりたい・メカ女子のメカに惚れるフェティシズムとまとめられます。
でもヤギーの女性目線では、普通でいたい・人並みな日常が欲しい・子供を産めない喪失感・機械の姿じゃなくて自分の心を本当に愛して!
という対立構図が見て取れます。普通社会での義体世界を空想するには、確かに一般女性の視点から生きる義体の姿を投影する手法は成功していると思います。
しかし、われわれ読者はサイボーグフェチなわけで、ヤギ―には一番嫌われる男なのでしょうw 彼女は永遠に我々のことは振り向いてくれないでしょうね。
 藤原は果報者です。羨ましい。いつか藤原とは一緒になってほしい。結婚生活も読みたいと思う次第です。

 自然人から離れがちのフェティシズム妄想世界を現実に引き戻して、義体の女性が自分の力で、生きる喜びと人間関係の豊かさを
自分の力で勝ち取っていく彼女の強さと成長の姿がこの作品を魅力的にしています。
そういえば一人称で語りきるスタイルは往年の新井素子を彷彿とさせて、私のような年代のものには効き目のあるスタイルです。
作者さんは男性の方とお見受けしますが、会話に女性を浮かびかがらせるその語り口が悔しいぐらい上手いなと感服です。
そこには、健全な家庭生活・社会生活を通じて幅広い女性との会話の積み重ねが裏打ちになっているのではないかと推察します。

 サイドストーリー群も魅力的です。本作を読了してから二次創作の「メッセージ(前篇)」を読むと、涙をこらえることができません。
素晴らしい集合知の結晶であって、同人誌の健全な姿だと思います。できることなら自分もその流れに加わりたいものですが、
いかんせんフィクションを読むことやストーリーを作ってテキスト化することが苦手な人間です。
私は学生時分から長い間いわゆる漫画同人誌の世界にいるのですが、そこの活動でも同人誌の創作というよりは
作者と読者の仲立ちをする同人誌イベントづくりなど、現実世界で何か動きを起こすのが自分の表現と心得ています。
 そういった視点で、今さらながら何かできないか、企画屋の習性で何やら考え始めている私がいます。

 フェティシズムも突き抜ければこの世界線にまで到達したことに感服します。
一連の世界は、もはや文学の香気を感じると言ってもよいと思われます。

サイボーグを描き、機械フェティシズムも満足させながらも、一人の「人間の」女性の姿をとりわけ美しく魅力的に描き出す
八木橋裕子の世界は、9年ぶりに戻って来ても、私の心に大きな衝撃を与えてくれました。
 機械を描き、機械を語らず。ただ人間を語るその世界に、感謝。

 この世界に触れることを恐れて逃げていた私の不明を恥じること如何ばかりか。
 もう公開から10年近く経っての、遅れてやってきた者のメッセージ、思うが儘に記させていただきました。
 長文乱文、大変失礼いたしました。

 望むらくは、久しぶりの書き込みとなるかと思いますが、今からでも遅くないと迎えていただける同好の諸先輩方がおられれば
この場を以て意見交換などさせていただければ幸いです。

   2015年12月 たたみ 拝
  (9年前は局長と名乗って居った者です)


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