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八木橋裕子の物語の感想スレ

265たたみ:2015/12/08(火) 00:59:02
こんにちは。たたみと申します。
八木橋裕子の物語、全話一気に読了いたしました。

深い感動と、その広大な世界観、ほとばしる人間性への渇望、機械化とは何かを極めてシビアに思考実験した膨大な作品群・・・
そういった言葉でなんとか少しはまとめようと思っていたのですが、やはりこの一連の作品から受けた感動と心の躍動に対して、
何かの言葉を発したいとおもう気持ちは私の中で抑えきれないものがあり、
ここに未整理な感情に動かされた乱文を散らすことになったことをお許しください。

膨大な作品群を、それこそ夜を徹して読了した翌日となった本日は、職場で仕事が手に付かないほど、
作品から受けたインパクトに心を動かされていました。手に付かないとは、このことでした。

本来なら作品全てを項立てして感想を整理したいと考えておりますが、特に心打たれた作品は3つありました。
「天からの贈り物」「就職活動」「最後の届け物」でした。

殊に、「就職活動」はヤギーのわずか一日を通じて、彼女の当惑と怒りとそして癒しが激しく連なる、
本当ならばそれぞれが1エピソードになるくらいの盛り沢山なエピソードが連なる連作で、
彼女の目線を通じて義体の正直な「生きづらさ」と彼女の絶望を厳しい現実と周囲の人間たちとの苦しい関係性を残酷にも描き出したのち、
後段の藤原とのエピソードにおける彼女の「生物的欲望の開放」「癒しと人間性の再認識」に至る流れが非常に心に響きました。
そこにあるのは、一貫してヤギーの脳が「人間なのだ!」と叫び、その人間性とはなにかを徹底してリアルに描いた作品として、
読了した時には震えが止まらぬ思いでした。
また、サイボーグSS群を現実的義体論として考えるとき、本作における面接時のヤギーの言葉が一番端的に
「本当に若い女性が義体化されるとどう思うか」
を一気にまとめた膨大な思考実験のサマリーとして取り上げられるのではないでしょうか。


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