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ソフィアと《智慧文学》
1
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/02/21(土) 16:27:54 ID:???0
いささかバタイユに傾倒しすぎたので再びユングの『元型論』およ
び『ヨブへの答え』の再読、さらにノイマンの読解に挑んでいます。
しかしバタイユを経由してもう一度精読してみると・・・、何か違
うのです。これが博士が言っていたネタの宝庫満載というやつなん
だろうかといまさらながらに驚倒させられています。最初のころに
解釈していたこととはまた何か違うものが見出され、自分の中でバ
ラバラに粉砕されていたものが蘇生していくかのような・・・。
今回の焦点は以前よりずっと引っかかっていたソフィアです。これ
はヤルダバオトさんがソフィアについての詳しい論考をリクエスト
されたゆえでもあって、そのために執筆しつつ見直していたのです
が・・・。ユングのアブラクサスとはまた違う、すでに示したアブ
ラクサスの詳細説明の「大いなるアルコーン」とその聡明なる子た
るアブラクサスの関係が、今度は旧約聖書における《智慧文学》に
仕分けられる書物と、詩のひとつである『雅歌』の中の万軍の主ヤ
ハウェと偉大なる万物の工匠ソフィアの関係に見立てられることが
まとまってきました。まあそれが根本的にヒッポリュトスがたとえ
だとして持ち出したアリストテレスの霊魂論、およびプラトン哲学
のイデア(=不朽の範型)と模像の関係に結びつき、最終的にグノ
ーシス主義神話で語られていることとの対比をするというのが私の
構想でありますけれど、改めてユングの、いうなれば精神的貧困の
「蘇生能力」に度肝を抜かされました。焦点を変えてみたのもあっ
たでしょうけれど。しかし難なのは相変わらずこれがすごい遠回り
だということでしょうか。それがユングらしい慎重さだといえばそ
うなんでしょうが、ナグ・ハマディ文書の『フィリポ福音書』など
をあわせて読むと、ユングの言わんとしている『パラクレート』の
教義の重要さなど、実は正統派が扱っているにもかかわらず正典・
外典の中に認識解釈によってグノーシスを見出してしまっている。
自分で言うのもなんですが面白すぎる!(^^;)文句があるとす
れば御山の大将林道義が旧約の引用を口語訳にしてなくて読みにく
くしていることくらいでしょうかね。その点、岩波や新共同訳は読
みやすいですが。
果たして私の文章能力でマリアとリリスまでつなげられるか、また
『アイオーン』を読んで十字架のことを博士に話したときには、そ
こが苦手であるとおっしゃっているのを記憶しており、それについ
ては私も同様で、十字架(スタウロス)の話については納得がいか
ないところもあって、深読みのきらいがあるのではないかと懸念し
てくださっていましたが、ユングの考えはユングの考えであると示
されているので、とりあえず「彼はこう解釈している」というのを
きちんと組み込めれば御の字ではないかと思いました。段階を踏ん
で何回かにわけて説明したいと思います。というわけでヤルダバオ
トさん、ソフィアはこっちに任せてもう少々お待ちください。まと
めつつなのでもうちょっと時間が必要ですw。
2
:
極東博士
:2009/02/22(日) 22:21:08 ID:G6iz/z3k0
直接は関係ありませんが、エヴァキャラのミサトがつけているペンダントが
キリスト教以前の十字架であることはあまり指摘されていない事実だと思います。
90度の回転対称性を持つこのシンボルをグノーシス主義と絡める意見もあるようです。
3
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/02/24(火) 01:10:28 ID:???0
そうなんですか?そこまではさすがに私知りませんでした。てか博士、
以前から申し上げようと思っていたんですが、隠しネタ多すぎですよ、
まったくw。もっと披露なさってくださいw。
ユングから使おうと思っていたのは、単純に対立性の結合と、不可知な
る生の全面的肯定たる「救い」というところくらいです。そこにあるの
はバタイユがテーゼとアンチテーゼの絶えざる葛藤の場を作り出し、自
らに引き受けようとする「刑苦」と同じことだと。「まさしく最も恐ろ
しい葛藤の中においてこそ、キリスト教徒は、それに負けないで、刻印
を押された人であるという重荷を自らに引き受ける限りで、神性への救
済を意味する」というユングの、いわゆる普通に考えたら安楽的な救済
にはあらざる救済=生の全面的肯定に等しいことだということですね。
「悪」をどう捉えるかという問題も彼らには共通していると考えます。
でもキリスト教以前の十字架ともなれば、この解釈は使えないというこ
とになりますか。
90度回転対称性の十字架は、いわゆる「ギリシア十字」と呼ばれる十字
架くらいしか・・・。私が十字架といわれて思い浮かべるのは「ラテン
十字」の方ですけど。
なんか参考資料とかあります?『秘密結社の手帖』とか、グノーシス主
義者がつばつけたりだの、踏みつけたりだの、傷をつけたりだので『肉
体の』復活を望まないという儀式みたいなことをやってるって説明があ
りますが、ゼーレならわかりますけど、むしろミサトのほうにとはその
意見は聞いたことないです。
4
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/02/24(火) 15:58:33 ID:???0
ちなみに十字架といえば、パウロをはじめとして新約聖書全体におい
て、イエスの「十字架」だとか「十字架につける(つけられる)」と
か「キリストとともに十字架につけられる」といったような表現法が
多いわけですが、実は「イエスの死」とは違って、これらは直接「贖
罪論との関連で展開されることはほぼない」という事実を、ちょうど
いいのでここで示しておきますか。これは見逃してはならない点で、
わずかに『ガラテヤ人への手紙』と『ペトロの第一の手紙』に「木」
という表現によって十字架が意味されているところでのみ関連付けら
れているだけです。
十字架に磔にされるというのはギロチンで首を落とされるということ
に等しいほどの凄惨さがあります。一般にこの磔刑に処されたものは
1・2日かかって窒息するか、血液量減少性ショックによって死に至
るという、まさに刑苦に苛まれながらの壮絶な最期を遂げるわけです
が、新約聖書において十字架が直接「贖罪論」と関連付けられないで
いるというのは、このような凄惨さが直接的に「救済の出来事」とし
て展開することを妨げたものとみなすと、ユングはそれを掘り返した
ということになるでしょうね。それに対してパウロの場合には「十字
架」の「愚かしさ」だとか「弱さ」とか「躓き」、「呪い」とかいっ
た性格が逆説的に肯定されていくと。
5
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/04/07(火) 19:33:41 ID:???0
かなり昔のことですが博士にお詫びしておきたいことがあります。私が
以前博士に『アイオーン』の話をしたとき、ユングがシンボルとしての
キリストを復活の象徴とみなしているといいましたが、読み直していた
ところ、正確に言えば、「甦新」でした。「復活」だと本来的自己は死
んでいるという謂いになり、これではニーチェの方法になってしまって
おりました。まったく申し訳ないことをしてしまったと心からお詫び申
し上げます。反省しております。
ただ、これは博士と知り合った初期の頃から思っていたことですが、グ
ノーシスの場合も、本来的自己について無知忘却状態にあることを「死」
という表現でもって語りますが、実際にはそれは肉のうちにア・プリオ
リにあるとされる表現をこのような形で語っているのであり、ユングの
場合は、単に「死んだ」という表現を避けているように思います。
ご存知の通り「死者への七つの語らい」からあからさまですが「神は死
んではいない」という表現に拘っており、『アイオーン』も『ヨブへの
答え』も、意識を強く持って自己の在り様を省みるという点において、
「改変されうる」(『アイオーン』)と述べており、「甦新」というの
を本来的状態の復元だといっています。それは単に「死」からの「復活」
であるという表現をしたくないだけだけではないかな、と私には見えま
したが・・・。
『アイオーン』には「自己(内なる神)の全体性の元型は常に存在して
いる」とあり、これは人間の肉のうちにア・プリオリに存在しているこ
とには変わりがないわけで、結果的にはグノーシスにおける認識の光を
当てて本来的自己の覚醒を促すということとは変わりはないと思いまし
た。ユングがことあるごとにニーチェを意識して非難するのは、みだり
に「神は死んだ」ということを挑発的に口にするからではないか、とこ
のように思います。個人的な考えでしかありませんが・・・。
方法論上、ユングはユング、ニーチェはニーチェですので、言っている
ことは同じでも、いっぺんに述べようとするとごちゃごちゃになってし
まいかねない、でも表現方法はそれに則らねばならないと改めて思いま
した。本当に申し訳なかったです。
かつてユイの目的などをお話していたときに神人合一とか超人とかアブ
ラクサスとかを述べていましたが、『アイオーン』のユングはどうもそ
れをキリストとかに見立てているので、どうしたものかと思案していま
す。もっとも、最後の初号機をして単に「自己なるものの元型を具現化
したヒトの証(シンボル)」といえば、私の考えでは済んでしまうこと
だといえますが。
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