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番外編:物理のお「仕事」

20ニャンコヴィッチ★:2009/12/18(金) 13:01:07 ID:???0
皆さんへ

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「滑らかで水平な床の上を100キロの荷物を100メートル動かしたときの『仕事』は物理学的には0」です。これは中学の理科の先生でもうっかりしてしまう有名な問題なのですが、ご存知ありませんでしたか?あくまで「滑らかで水平な床の上を」移動させるのです。『仕事』=『力』×『距離』ですが、『力』はベクトルであって移動させる方向成分のみが『仕事』に寄与します。この問題の場合、100キログラム重の『力』(『重力』)は移動させる方向と直交する下向きであって、移動させる水平方向の成分は0です。よって、荷物を水平方向に動かす『力』も0とされます(無限小量は無視されます)。したがって、この問題の場合、「『仕事』は物理学的には0」になります。カーリングで摩擦が全くない理想的な状況を思い浮かべていただければよいかと思います。(このように、物理学でも何でも、「理論」と「実際」を双方向的に翻訳しながらでないとうまく学習できないと思います。)
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この算数Kさんの発言がいったい何を言わんとしているのかはともかくとして、この発言を読んで
「ふぅん、氷の上で、静止している100キロの荷物を手で押して滑らせるには、その荷物にする仕事は実質0でいいんだ」
とは思わないでください。

「滑らかで水平な床の上」(*1)で、荷物が静止している状態から、あなたが荷物を押して W=Fx の仕事をすれば、その仕事は全て荷物の運動エネルギーになります。

F:荷物を押す力(*2)
x:Fを加え続けた距離

つまり、
あなたが荷物にした仕事:W = 荷物から手が離れた後の荷物の運動エネルギー:(1/2)mv^2
が成り立ちます。

m:荷物の重さ
v:荷物の速さ

この式からわかるように、荷物にした仕事の大きさによって、あなたの手から荷物が離れた瞬間の荷物の速さは決まり、その後は荷物はこの速度で、(途中なんらかの干渉がない限り)どこまでも滑り続けます。(カーリングを思い浮かべていただければよいかと思います。)
言うまでもないことですが、静止している荷物にした仕事が0(あるいは物理学的に0とみなせる)なら、荷物が獲得する速度も0(あるいは物理学的に0とみなせる)、つまり、荷物は静止している場所から"動かない"、ということも上の式からわかります。

(「でも、W=0×100メートル、つまり、(物理学的に)0の力で100メートル押したら、荷物は動いたことになるじゃん」と思われた方へ。
1.氷の上の静止している荷物に指で触れているだけ(押しちゃだめ)の状態から100メートル動かせますか?
2.もしも、1をクリアして、荷物が静止している状態から、0の力で押しながら荷物が動いている状態へ移行できたとしたら、その荷物は(まだ指が触れている状態でも)運動エネルギーを持っています。つまり、あなたは無からエネルギーを取り出したことになります。)


(*1):以下、空気抵抗も0とします。
(*2):話がややこしくなるので、仕事をする間のFは一定とします。


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