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哲学的・雑談的 3

49ほかいびと★:2007/10/08(月) 01:44:06

北上山地の稗酒、粟酒の作り方について

おととい金曜日に稗酒について聞くことができました。
高田市場は朝6時ころから始まって12時頃には片付けてしまう市で、
私も売りに行ってたので終る頃やっと稗売りを探し始めたのですが、
昨今では採る人も珍しい山の果実などをいつも並べてる
60代〜70前後とおぼしき男女の方に教えていただきました。

今回はたくさんの山ブドウと、もろきみ(黍の種類)を並べていましたが、
早朝に話しをしてた元左官職人さんが山ぶどうを一袋買って
話しをしてたので話しのなかに入れていただいて
「35°の焼酎につけるのですか」と訊ねたら売り子の女性が
「浸すのでなく20°のを振り掛けてビンに入れて置くだけで自然と水分が出てくる。」と教えてくれたのですが、それが山ブドウ酒なのだそうです。
2回はお酒が出来るけど3回目は砂糖を入れると
良いとのアドバイスもしてくれました。

山ブドウのとなりには粟?の仲間である「もろきみ」とこちらで呼ぶ
淡山吹色の黍(キビ)もあったので、これでお酒が作れるか聞いたら
できないことはないが稗や粟を酒にするほうが普通だったそうで、
昔はそれを蒸して麹(こうじ)を絡ませて酒瓶に入れ寝かせて作ったのを
彼女の上の世代のお父さんだか叔父だかが飲んでいたそうです。
そんなに昔のことではないようです。

ただし麹ではあまり効かないので麹より店で売ってる「イースト菌」を絡ませて
寝かせた稗や粟酒だと「すぐに、まぐれる」とのことでした。
こちらで「まぐれる」とは人の手にかかり「死ぬ」ことも意味しますが、
この場合には酔い潰れて寝込んでしまうことを意味してます。

昔ながらの麹より市販の「イースト菌」のほうが確実に発酵し良いお酒になるということでしょう。
昭和40年代のころのウチでもそうでしたが、
味噌を作るのに明治35年生まれの私の祖母も「イースト菌」の効き目を
すでに知ってて茹でた味噌豆を発酵させるのにこれを使っていました。

そうしてみると簡単にお店で「イースト菌」が買えなかった昭和20年代、
お店が遠い山間部ですともしかしたら昭和30年代ころまで、
ふつうの麹を使ってたとすれば、度数の低い、
水臭い「稗酒」、「粟酒」をおそらく飲んでいたのではないかとおもいました。

もうすでに市(まち)が終って片付けが始まりそうだったのですが、
今は米があるのだからイースト使ってドブ(どぶろく)作ったほうがずっといい、
つまり稗、粟をわざわざ使うまでもなく、
もっとおししいお酒が飲めるではないかと
この売り子の女性が私の目をじっと見たまま4、5分間も
視線を逸らさず最後までていねいに説明してくれました。

そういえば、こういう経験はよくあるとおもいます。
都会のお勤め人というか、いかにもバリバリ仕事が出来そうな
背広を着たサラリーマンの目を見ながら話しするときって必ず緊張するものだし、
やがてなんかだんだんに少し怖さを感じてきてしまって
話しを早く終らせたくなるものです。

でも、農村や山村の農家の人々のある年代より上の方々は
人の目をじっと見ながら話すのがあたりまえなのに、
だんだんなごやかな気分になってきて話しがはずみ、
つい長話になってしまいます。
農村、山村の人々の視線は淡くて柔らかいです。トゲがないのですね。

今日は近くの竹細工仲間で牛も飼ってる農家の男性が来て、
田んぼの秋草のうち成長したヨモギは青臭くて家畜が嫌うという話しをしたので、
稲作で雑草として抜かれ嫌われてる「野稗」も邪魔ですね?
と訊いたら意外にも牛にとっては大好物だという答えが返ってきました。

牛は真竹の笹も大好物です。
冬なんか牛小屋で市販の飼料と一緒に与えたら飼料なんか後回しにして
まず竹の葉である笹を食べますし、子牛も喜んで食べます。

桃太郎と彦星を一緒にしてはいけませんが、
キビ団子や笹餅のことも考えてみたくなりました。

それと、七夕は竹や笹竹を使いますが、竹や笹は本来は牛を鞭打つものではなく、
もしかしたら競走馬の鼻にニンジンを吊るすのと同じく、
嫌がる牛を彼等の食欲を利用してすんなり田・畑起しに連れて行くのに
必用なアイテムだったのかもしれないなとおもいました。


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