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なめなめおじさんに聞いて見るスレ
59
:
エッチでリッチな なめなめおじさん
◆sQELVfrnG.
:2014/04/10(木) 22:17:06 ID:lkRblwAA0
私は黙ってうなずいた。なんだか自分が子供みたいで、ちょっと恥ずかしかった。
「私の想像では、あなたの国は、そのお金というものを動かさなければならないために、ものすごい時間と労力のロスをしている気がします。言い換えれば、不必要なもののために、無駄な仕事を増やしているということです」
「でも、私の国ではお金がなければ社会が回っていかないんですよ」
「それは分かります。でも、あなたの国でもこの紙きれや金属を食べたり、直接何かに使ったりしている人はいないわけでしょう。要するにこのお金というものは、物の価値を皆が共通して認識するための物差しでしかないわけです。ですから、例えば今あなたの国で、このお金が一斉にパッと消えてしまったとしても、皆そのまま仕事を続けていけば世の中は回っていくはずなのですよ。それに、ちょっと想像してみてください。あなたの国の、お金を扱う仕事に携わっている人が、その業務から一切解放された時のことを。そして、お金を動かすために使っていた時間や労力をもっと世の中のためになる仕事に向けたら…いや、勿論お金の存在する社会においては、そういう仕事が大切なのは分かるんですが、もしそうしたら、ずっとずっと社会は豊かになると思いませんか。いいですか。あなたの国では現在、お金に関わっている仕事の人が全員、その仕事をやめてしまったとしても、皆ちゃんと暮らして行けるだけの豊かさは既にあるのです。そんな、言ってみれば無駄なことに時間や労力を使っていたにも拘らず、あなたの国はやってこられたわけですから。ですから、そういう仕事にかけていた時間や労力を、もっと社会の役に立つ仕事に向ければ、あなたの国の人々の生活はもっと豊かになるはずです」
私は言葉に詰まった。だんだんそんなような気もしてきた。もし、お金というものがなくなったら、お金に関するトラブルも一切なくなるわけだ。脱税だとか、借金苦の自殺だとか、銀行強盗だとか。世の中の「金のため」という矛盾もすべてなくなる。もしかしたら、世界中の、飢えや貧困に苦しんでいる人たちも救えるのではないかという気にもになってきた。しかし、私は紳士に言った。
「でも、今、私の国でお金というものがなくなったら、うまく行くとはとても思えません。きっと誰も仕事をしなくなって、世界が破滅してしまうんじゃないかな」
紳士は笑いながら言った。
「は、は、こんな紙切れや金属の破片のために破滅してしまうなんて、面白い国ですね。まあ、それはどうだか分かりませんが、確かに今すぐは無理でしょうね。私が思うには、あなた方は、まだそこまで魂が進化していません。でも、いずれ私たちのような国が作れるかも知れませんよ。気が遠くなる程、先の話でしょうけれど」
私はもう言葉が出なかった。話のレベルが違い過ぎると思った。紳士はさらに続けた。
「多分、そのお金というものを得ることが仕事の目的だと皆が思っているうちは、あなたの国の、真の意味での進歩はないでしょうね。仕事の目的は世の中の役に立つことです。報酬ではありません。報酬を目的にしていると、必ずどこかに歪みが生じてきます。自分の行なった仕事以上の報酬を得ようとしたり、必要のない仕事を無理に作って、自分の利益だけは確保しようとする動きが出てくるでしょう。そうなると、完全な競争社会になります。それもお互いの向上を目的としたものではない、単なる足の引っ張り合いになるはずです」
私は、紳士の言っていることが、あまりにも自分の国の状態とぴったりなので、驚きを通り越して恐怖を覚えた。紳士は最後にこう言った。
「あなたの今やっている仕事が、本当に価値のあるものかどうかを判断する、簡単な方法をお教えしましょう。仮に、社会からお金というものがなくなり、その仕事によって報酬を得られないとしても、自分がその仕事をすべきだと思うかどうかです」
紳士は私に、自分の連絡先を書いたメモを渡し、礼を言って出て行った。自分の家に帰ったのだろう。私の脳味噌は思考することをあきらめてしまったのか、妙にスッキリして心地よかった。私は体が溶けてしまいそうに寝心地の良いベッドにひっくり返ってぼうっとしていた。全く不思議な所に来てしまったものだ。なぜ来たのか見当もつかないが、居心地は悪くないから、とりあえず帰れるまでのんびりするか。さて、明日からどうしようかな。まあ、何でもタダだし生活には困らないわけだから、観光でもして遊んでようか。でも、そんなことしていたら紳士に怒られるかな。うつらうつらしながら考えているうちに、私は眠ってしまったらしい。
結局、他にすることも思いつかなかったので、翌日から私の贅沢旅行が始まった。
(出版に伴い、ホームページ上での掲載はここまでとさせていただきます。)
つづく
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