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なめなめおじさんに聞いて見るスレ
57
:
エッチでリッチな なめなめおじさん
◆sQELVfrnG.
:2014/04/10(木) 22:03:59 ID:UJT4xwLU0
私は暫くぼうっとして、ただグラスの中のものを飲んでいた。紳士は、相変わらず微笑みを浮かべたまま私を見守っている。やがて、私の脳裏にふつふつと素朴な疑問が湧き上がってきた。この家に来てからのことなど言い出したらきりがないので、私の防衛本能のためか聞く気も起こらなくなっていたが、私はどうしても、あのお金を取らなかったレストランやスーパーのことが気になって仕方がなかった。私は、恐る恐る聞いてみた。
「あのう、この国にはお金というものはないんでしょうか」
紳士は不思議そうに聞き返した。
「おかね…ですか。確か、前にもあなたは私にそういう言葉を言われましたね」
紳士は少し間を置いてから私に言った。
「少なくとも私は、お金というものは知りませんし、聞いたこともありません。それは一体、どんな物なのですか」
一応、予想していた答えではあったが、やはりこう、面と向かってはっきり言われると、ショックだった。私は、ズボンのポケットから財布を取りだし、中に入っていた紙幣数枚と、硬貨をジャラジャラ出して、テーブルの上に並べた。
紳士はそれらを興味深そうに手に取り、暫く眺めていたが、やがて言った。
「この汚れた紙きれと金属の破片が、一体どういう役に立つのですか」
私は返答に困った。お金の存在しない社会に暮らしている人に、一体なんと説明すればいいのだろう。とにかく一言では無理だ。私は思いつくまま話してみることにした。
「私たちの国では、何か仕事をすると、このお金というものがもらえるんです。そして、物にはみな値段というのが付いていて、お店で何かを買ったり、物を食べたりすると必ずその値段分のお金を払うことになっています。あの、買うというのはお金と引き替えに物を受け取ることなんですが、とにかく何をするにしてもお金がいるんです。お金がなければ生きていけないんですよ」
紳士は興味ありげに私の話を聞いていた。私は続けた。
「皆、自分が働いて稼いだお金を使って生活するんですよ。だから、いっぱい仕事をした人はいっぱいお金をもらって豊かな暮らしができるんです。まあ、かなり不公平もありますし、働かないで儲けるずるい人もいますが…。皆、自分が儲けたお金の範囲内で生活するようになっているんですよ。だから、お金はどうしても必要なんです」
ここで紳士が口をはさんだ。
「要するにあなたの国では、お金というものがないと、人々が欲望をコントロールできないというわけですか」
私は言葉に詰まった。確かにその通りかも知れない。でも私は反論したくなった。
「まあ、そうかも知れませんが、でも、お金を払わなくても何でも手に入るのなら、もう、仕事をしなくてもいいじゃないですか。毎日遊んで暮らせば…」
「皆が遊んでばかりいたら、何も手に入らなくなってしまいますよ。物を作る人も、与える人もいなくなるわけですから」
「でも、そういう人もいるのではないですか。働かなくても生活できるのなら、自分一人くらい遊んでいてもいいだろうと思う人が」
「この国にはそういう人は居りませんし、この国に、そういう人は住めないようになっております。それにあなたは、そのお金というものと働くということを堅く結びつけて考え過ぎている気がします。仕事は社会への奉仕ですから、世のため、人のため、ひいては自分のために、皆で働かなければ世の中は回っていきません。あなたの言うお金がもらえなくてもです。そしてあなたが生活に必要なものはお金など払わなくても、社会から奉仕してもらえばいいのです。事実、この国はそういうシステムになっております」
私は何となく分かったような気もしたが、さらに反論を続けた。
つづく
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