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なめなめおじさんに聞いて見るスレ
56
:
エッチでリッチな なめなめおじさん
◆sQELVfrnG.
:2014/04/10(木) 21:57:46 ID:KF9ms4Nc0
いくつくらい駅を過ぎたろうか。紳士はある駅で電車を降りた。勿論、私も後に続いた。地上へ出てみて驚いた。電車にはそんなに長いこと乗っていたつもりもないのに、目の前には先程の大都会とは打って変わって、閑静な住宅街が広がっていた。豪邸という程でもないが、きれいな家が適度な間隔を置いて立ち並び、どの家もそこそこ広そうだった。もう、すっかり日は暮れていたが、きちんと整備された街灯が道や家々を美しく照らし出し、家の窓からは柔らかい光が漏れていた。
紳士は一軒の家の前で立ち止まった。私は(ここがこの人の家なのか。いい所に連れて行くと言ってたが、自分の家に招待するってことだったのだな)と思った。紳士はドアを開けた。玄関のライトが自然についた。紳士は私に言った。
「さあどうぞ、お入りください」
私は玄関に立った。とても雰囲気のいい家だと思った。結構、天井が高く、壁に掛けてある絵も、私の趣味に合っていた。紳士は一つの部屋のドアを開け、私を招き入れた。部屋の中に入って私は仰天した。外から見て想像したより、部屋はずっと広かったのだ。そこはリビングルームだったが、かなりのスペースの真ん中に、数人が掛けられる、ゆったりとした座り心地の良さそうなソファとテーブルが置いてあった。大きなリビングボードには、高級そうな酒らしきものや、変わった形のグラスも並んでいた。しかし、それより私が驚いたのは、紳士がスイッチを入れると現れた、壁に仕込まれた巨大な画面のテレビのようなものだ。特殊な眼鏡をかけているわけでもないのに、明らかにそこに存在しているかのような映像が、次々と大迫力で展開されていた。私が知っている立体映像とは、比べものにならなかった。
紳士は、呆気にとられている私を、にこにこしながら見ていた。
「いかがです。なかなか面白いでしょう」
「す、すばらしいですね」
紳士はさり気なく言った。
「今日からここが、あなたのうちですよ」
「は」
私は変な声を出してしまった。なんだ、なんだ。こいつ、私と一緒に住もうってのか。妙に親切だと思ったら、そういうことだったのか。いやだ、いやだ、ぜーったい、いやだ。そんな目に合うくらいなら死んだほうがましだ!真っ青になっている私に、紳士は言った。
「いや、勘違いなさらないでください。私の家はちゃんと別にあります。ここはあなた一人のためにご用意した家ですから、安心なさってください」
私は声が出なかった。(何だって。私のために用意しただって。なんで私が来るのが分かったんだ。こんなすごい家、誰がどうやって貸してくれたというんだ)
この不思議なことの連続、もう完全に私の理解の範ちゅうは越えた。何を考えても無駄だと思った。これ以上考えたら、気が狂うしかないだろう。紳士は言った。
「ここに住んでいただけますよね。まあまあの家だとは思うんですが」
私は声が出せず、口を開いたまま、ただうなずいた。
紳士は安心したようににっこり笑い、他の部屋も案内してくれた。とにかくすごい家だった。考えることを放棄していなければ、私の頭は爆発してしまっていただろう。
ひと通り部屋を回り終えると、私たちはリビングルームに戻った。紳士は私に断ってから、リビングボードに並んでいた酒らしきボトルのうちの1本と、グラスを2つ出して来て、飲み物を作ってくれた。大きなソファに座って私たちは乾杯した。その飲み物は私の知っている酒の類とは少し違っていた。決して甘くはないが飲みやすく、何とも言えず良い香りがして、体に心地いい。いくら飲んでも悪酔いしそうもないという代物だった。
つづく
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