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エスペラントの思想と国家権力

534松戸彩苑:2007/10/14(日) 15:28:07
>>533
ザメンホフは1906年のUKの演説のなかで「interna ideo(内在思想)」というのに言及して
るんですよ。
その核心部分だけを引用しますと

  それで、私たちがエスペラントの仕事にはげんでいるのも、実利を思うからではなく、国
  際語に内在する神聖で偉大で重要な思想を思うからだと、私たちははっきりと意識して
  いるのです。この思想とは、あなた方もよくご存じのように、すべての民族のあいだの同
  胞愛と正義の実現です。この思想は、誕生の最初の瞬間から現在にいたるまで、エス
  ペラントとつねにともにありました。エスペラントの作者である私は、まだ小さい子供のこ
  ろからこの思想に駆り立てられていました。

  (『国際共通語の思想』206ページ)

これは、ただ単に「ブローニュ宣言で思想は無関係だって言ったけど、エスペラント運動と
いうのは本来的に民族間の友好を促進し、差別を無くすためのものであり、そういうことま
では否定していないんだ」ってなことを述べただけだと思うんですが、ザメンホフはこれ以
降も、思想について語ってるんですね。

ですから、ブローニュ宣伝だけで判断してはいけないということがあります。

で、エスペラント界には、そういったザメンホフの言葉を拡大解釈して、自分の好きな社会
思想を「これはザメンホフを継承したものだ」みたいに言ってる人がいるわけです。
ザメンホフじしんは思想について語るとき「あくまでも個人的な考えである」と断わることが
多かったにも関わらずです。
ほんとに困ったものです。

もしもザメンホフの思想に関心があるのであれば、ザメンホフの主要な演説と論文とを集め
て和訳した『国際共通語の思想』(新泉社 1997年)を読んでいただくしかないですね。

また、エスペラントやザメンホフについて書かれた本のなかにもザメンホフの思想に言及し
たものがたくさんありますが、我流の解釈をしたものも見受けられますので、その点には注
意したほうが良いと思いますね。


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