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エスペラント改造論
271
:
松戸彩苑
:2008/06/07(土) 16:23:12
(
>>270
の続き)
過去二三年間にエスペラントに対してさまざまな批判がなされてきました。何千という人
たちがエスペラントに批判を加え、どんなに小さな欠点も残らず明らかになっています。
しかし、そういう批判に目を通してみると、その大部分は個人的思いつきによっているこ
とがわかります。ほんとうに実用的価値のある改変の提案はごく少数で、全部ならべて
も一枚の紙切れにおさまり、半時間もあれば覚えることができるでしょう。しかも、このご
く少数の改変提案のうち、最も重要な提案は一見すると改良のようですが、よく考えて
みるとじつは改悪となるかも知れないのです。たとえば、学習者の悩みを取り除き普及
を促進するために字上符や対格語尾を廃止したらどうかという提案があります。これは、
すでに一六年前に私が提案し、げんに改革論者の大部分も要求しているものです。し
かし、現在の時点で、しかも政府が設置し、したがって権限を有するはずの委員会の立
場からは、こういう提案はまったく容認すべきではありません。なぜなら、それは、外部
の傍観者の機嫌をとるためにエスペラントの内的価値を損ない、必要かつ重要な音声
や自由な語順や明晰性を取り去ることになるからです。しかも、その理由といえば、印
刷屋がいくらか経費の節約になり、初学者が多少てまがはぶけるというだけなのです。
私たちに反対する人たちがエスペラントの信用を落とすためにエスペラントで書いた論
文を見ると、ほとんどいつも気がつくことが一つだけあります。複数語尾の"j"が大量に
使われていることです。この不幸な"j"は、美しいギリシア語にあってもあえて文句をつ
ける人はいませんが、私たちに反対する人たちに言わせれば、エスペラントでは諸悪
の根源になっているのです!
簡単に言えば、みなさんがすぐわかるように、政府が設置する委員会がエスペラントに
改変を加えることになり、その委員会が真剣に任務にとりくむとしたら、改変すべきとこ
ろはごく、ごくわずかしかありません。委員会の改変を受けたあとのエスペラントは、そ
れ以前のエスペラントと言語としてはまったく同じです。ただ現在の語形のいくつかが
古語となり、もっと便利な語形に取替えられるかも知れませんが、それによって言語の
連続性が断絶したり、これまで達成した成果の価値が無に帰することはけっしてありま
せん。これは、私たちがそうなって欲しいと思っているからではなく、ひたすら論理と良
識の当然の帰結です。これに対しては、本気でやる気がある委員会としては、その仕
事の実際的成果が皆無になることを望まなければ、あえて反対しないことでしょう。
さて、ここで、お話ししたことをまとめてみましょう。この問題を論理的に検討したけっか、
結論は次のとおりとなります。
一、国際語は、エスペラント以外にはあり得ない。
二、おそらくエスペラントの発展は、その他の言語と同様に、自然の成り行きにしたがっ
て、すなわち新語と古語の交替という不断の過程に則して、おこなわれてゆくだろう。
三、しょうらいエスペラントに改変を加える必要が生じたときは、その改変は互いの合意
のうえでエスペランチスト自身がおこなうか、またはエスペランチストと完全な合意の
うえで有力な機関がおこなう。
四、しょうらいエスペランチスト自身か、または有力な外部機関がエスペラントに改変を
加える決定をした場合は、その改変はきわめて小規模にとどめ、これまでの我われ
の成果との連続性を損なったり、過去・現在・未来にわたる我われの努力を無に帰
するものであっては、けっしてならない。
(水野義明(編訳)『国際共通語の思想』266〜272ページ)
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