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エスペラント改造論
270
:
松戸彩苑
:2008/06/07(土) 16:22:11
これまでの話に、さらに補足をさせていただきます。
1910年にワシントンで開催された第6回UKでの演説のなかでも、ザメンホフは「エスペラ
ントの改良」について長々と論じていました。
さて、国際語問題の決定のために、虚構ではなく現実的かつ強大な実力をもつ委員会
が設置されたと、しましょう。すでに述べたように、そういう委員会が自分の決定をまっ
たく無価値に終わらせたくないのなら、エスペラントかエスペラントによく似た言語を採
択するほかはありません。きっといまのままの形のエスペラントを採択するはずだと、す
でに申しあげました。そこで、委員会がそういう決定をしたくない場合を考えてみましょ
う。ほかにどんな行動を取るでしょうか。委員会は、「生存能力のある言語の創造のた
めには、学識ある人がいて、「じゃあ、作ってみよう」と言うだけでは不十分で、注文に
応じて数週間のうちに仕立てることはできず、長期にわたる熱心な献身的な愛情のこ
もった努力や実験や感情移入が必要なことを」よく理解するようになるでしょう。また、
委員会は、「多くの人びとが久しい以前から尽力し、長年の歴史と完全な生命をもつ言
語があること、この言語はりっぱに機能し、問題点はごくわずかしかないこと」を知るよう
になるでしょう。そういうわけで、もし委員会がこの課題を真剣に取り扱うとすれば、ぜん
ぜん新しい言語をあえて創造したり、存続できるかどうかもまだわからない言語案を採
用したり、この問題でこれまで尽力してきた人びとに対し無用で軽率な反対行動に出る
ような態度を取らず、エスペラントを採択し、必要な改変をほどこすことでしょう。
では、委員会は、誰にこの改変を委託するのでしょうか。はじめの準備期間の段階では、
どんな言語を選ぶべきかという問題を原則的に決定する必要があります。この段階では、
委員会は、その決定を誰にまかせてもよろしい。ただし、無党派の良識人で、引き受け
た責任をじゅうぶん認識している人を選ぶように配慮しなければなりません。しかし、採
用すべき言語が選定され、改変をほどこす決定がなされたら、その仕事について誰の
助言を求めたらよいのでしょうか。少しでも良識があり、学問的方法を理解している人な
ら、「そういう仕事では、外部にあってその言語を知っている人ではなく、まず何よりも内
部にあってその言語を知っている人に助言を求めるべきである。つまり、その言語のた
めに最も尽力し、最もよく実用に使い、したがって最も経験が深く、実際上の不備を最も
よく知っている人のことだ」と、言うでしょう、誰でもよくわかっていることですが、言語に
改変をほどこす際に、ただ外見を目安にするだけで、その言語を熟知する人の助言を求
めないのは、じつに愚かな行為です。委員会は、その課題を真剣に扱う気があり、陰謀
をたくらむ人びとにそそのかされたのでなければ、そんなことはけっしてできないはずで
す。
そこで、委員たちがエスペラントに改変をほどこす決定をした場合には、どこを改変した
らよいのでしょうか。たとえば、「この単語は一千万人が話す言語から採用したものだ
から不採用にして、一億二千万人が話す言語から単語を採用しよう」とか、「実際には
よく役に立つ"estas"(「〜である」)という単語は気に入らないから、"esas"に代えよう」
などと委員たちが言うとしたら、それはまったく愚かなことで、真剣な人びとはきっと容認
しないでしょう。長年のあいだ存続している言語に、単なる思いつきや、理屈にばかりこ
だわり実際にはぜんぜん無価値な動機から大量の単語を改変するのは無意味なこと
だと知っているからです。委員たちの役目は理屈をもてあそぶ言葉の遊びではなく、実
際的な仕事だということを念頭におけば、改変を加えるべき単語や語形も、おのずから
限定されてくるはずです。つまり、それ自体が無条件に不適切で、言語を使用する人び
とにひじょうに不都合な単語や語形のことです。
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