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あいさつ、雑談、スレを立てるほどでもない話題

190松戸彩苑:2007/01/28(日) 12:53:11
>>189 の続き)

一九二二年秋第三回総会に際して委員会がこの好意的な報告書を検討した時、ふたた
びフランス代表(レナルド上院議員)は、フランス語以外のいかなる世界語にも反対する
よう指示されているむね明言した。彼の論調は比較的おだやかだったが、ブラジルの代
表デ・リオ・ブランコは長い演説(のちに彼はこの演説を「国際連盟がエスペラントに保護
の特権を与えることに反対する」というパンフレットにして、個人的に配布した)をおこなっ
て、乱暴きわまるイデオロギー的非難を討論に持ちこんだ。右に引用した新渡戸の言葉
を直接踏まえて彼は、エスペラントを「伝統もなければ文学もなく、知的価値もない貧乏
人と共産主義者の言語」であるとこきおろしたのち、ブラジルでエスペラントの教授がおこ
なわれているのは、「開化度の最も低い」セルジペ州だけである、と主張した。

妥協案が採択され、学校におけるエスペラント教授の問題は「知的協力委員会」に付託さ
れ、報告書は――一部が修正されて――国際連盟の文書として正式に承認された。

  知的協力委員会で

一九二三年七月三一日および八月一日この問題を討論した「知的協力委員会」はしかし、
知識人のコミュニケーション用具になることを第一の目標とはしていない言語である――
新渡戸が好意的に強調し、デ・リオ・ブランコが危惧を表明したように――エスペラントの
問題を検討するには、この上なく不適当な場だった。この委員会は国際的連帯心を養う
ために設置された。「しかし、それは活動をきびしく限定することと、大学および図書館の
交流のみにつとめることをよぎなくされた。もっと人類的な領域に手をひろげることが危惧
されたのである。」

したがってエスペラントを支持した人たちは、フランスからの政治的圧力と知識人の偏見
に直面して、絶望的な立場に負いこまれていた。委員長をつとめていた哲学者のアンリ・
ベルグソンは、内緒でプリヴァに対して同情していることを明らかにしたが、個人的な意見
よりパリからの指令を優先させねばならなかった。主な反対者はフランス系のスイス人ゴ
ンザーグ・ド・レイノルドだった。当時彼はどちらかというと、エスペラントが言語学的に十全
のものとはいえないという点を主として批判し、「カトリック信者および知識人の知っている」
ラテン語を擁護したが、個人的にはエスペラントの背後に、「国際主義的および革命的神
秘主義」が隠されていることを強調した。問題がどの程度まで言語についての討論の枠を
越えていたかは、フランス人のリュシエールが――デ・リオ・ブランコより上品に――それ
となくのべたことで明らかである。全体として彼は、「非知識人たち」にも国際的コミュニケ
ーションのための言語が必要だということに異議をとなえたが、その理由は――彼によれ
ば――各国の民衆は「指導者たち」や翻訳を通じてたがいに連絡しているから、というの
だった。この論理によると、国際連絡は何人かの選ばれた人びとの独占であるべきであり、
コミュニケーションのためのやさしい言語エスペラントによって、下層の人びとの世界的交
流へのドアを開くことは勧められない、ということになるわけである。

フランス語のヘゲモニー的傾向と、民衆を見下し嫌悪する雰囲気のなかで、エスペラント
をそれ以上推進するチャンスはなかった。委員会は学校におけるエスペラントについての
問題を検討しないことにきめ、何よりもまず「現存の諸言語と外国文学の研究を奨励する
こと」が必要である、という意見を表明したが、このことに対する新渡戸のコメントは、二〇
年後この決定は、国際連盟が分別を欠いていたしるしとして記憶されるだろう、というので
あった。


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