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あいさつ、雑談、スレを立てるほどでもない話題

188松戸彩苑:2007/01/28(日) 12:48:54
>>186

『危険な言語』が見つかりましたので、国際連盟でエスペラントについて討論したときのこ
とが書いてある部分を引用しますね(同書17〜23ページ)。

引用文を読めば判ると思いますが、ここには「国際連盟の作業語」などという話は、まった
く出てきません。
また『危険な言語』の記述とくらべると、Wiki にある「国際連盟の作業語」に関する情報は、
あまりにも大ざっぱだと思います。
ですから Wiki の記事は、誤解と願望にもとづく「神話」なのではないかと思います。

もちろん『危険な言語』のほうに書いてなくて、Wiki のほうが正しいという可能性もあるでし
ょう。
この岩波新書の『危険な言語』は1975年に出た本ですので、それ以降に新事実が発見
されたということも、ありえない事ではありません。

しかし、たしかなソースが出てくるまでは Wiki の記事を信用しないほうが良いように思いま
すね。
---

国際連盟への決議案

国際的紛争を解決する手段としての戦争をうんぬんすることに世界中の世論が疲れたこ
とと、その結果はじめのうち国際連盟が信望されていたことをUEAはさっそく利用して、エ
スペラントを学校に導入する問題で各国政府が協定を結ぶよう要求した。ホドラーの友人
で、ペルシアの首席代表の法律顧問、のちにペルシアの国際連盟副代表になったエドモ
ン・プリヴァ博士の創意で、一一カ国(ベルギー、ブラジル、チリー、中国、チェコスロヴァ
キア、ハイチ、インド、イタリア、コロンビア、ペルシア、南アフリカ)の代表は、一九二〇年
一二月におこなわれた国際連盟の総会に決議案を提出した。その決議案は、「言語上の
困難が……民衆と民衆とのあいだの直接のコミュニケーションをさまたげていること」に注
意をうながし、「各国の子供たちが、父母の言語と国際的コミュニケーションのやさしい手
段という少なくとも二つの言語をものにすることができるようになれば」という希望を表明し、
各国におけるエスペラント教授のこれまでの成果の詳しい報告書を作製するよう、事務総
長に要請していた。

この提案は小国が国際連盟にいかに理想主義的な期待を寄せていたかを示すよい見本
であると同時に、このようなほとんど革命的な提案が特に大国中の一国から反対されるこ
とを、過小評価していた提案諸国およびUEAに、いかに慎重さがたりなかったかを示すよ
い見本でもあった。プリヴァ自身のちに、この段階で「エスペラントを学校に導入する」など
というきわめてデリケートな要求を早ばやと出したことは、戦術的な誤りであった、と告白
している。

この提案を審議した委員会は好意的な報告を提出し、エスペラント教授について国際連
盟が正式に調査するよう勧告した。ところが、決議案が総会で審議されることになってい
た時、フランス代表がはげしい抗議をおこなって、この問題を討議しないであとにのばさ
せることに成功した。当時、英語の威信が高まりつつあったため守勢に立たされているこ
とを感じていたフランスは、この決議案のなかに外交関係の古典的言語としてのフランス
語の地位に対する新たな脅威を見てとったのである。アカデミー・フランセーズの会員で、
かつての外相であり、著書でフランス帝国主義の栄光を讃えた歴史家であったフランス
代表ガブリエル・アノトーは、この勧告に猛然と反対した。ほかの諸国の代表たちが反論
する勇気を持てないでいるのを尻目に、アノトーは雄弁をふるって、「歴史と美しさを持ち、
偉大な作家たちに使われて、世界中で知られ、理念のすばらしい普及手段だった」自国
語、フランス語に「名誉」が与えられるよう要求した。

このことがおこる前には、プリヴァはフランスの立場をほとんど意識していなかった。とこ
ろが今やエスペランチストたちと彼等に同情する各国代表たちは、準備不足のまま出さ
れた提案が、猛烈な反対の犠牲になったことを目のあたりに見たのである。フランスのエ
スペラント運動の指導者だったモーリス・ロレ・ド・リールはプリヴァへの手紙で、その理由
を次のように説明している。「あなたがこの敵意を不思議がっておられるのに、私はおどろ
きました。当地では私たちはしばらく前から、外務省のこの上なく強い敵意にぶつかって
いるからです。」


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