したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

エスペラントをやって良かった事

21松戸彩苑:2007/01/02(火) 19:56:33
野島安太郎(著)『中原脩司とその時代 ― エスペラント時事月刊誌 "Tempo" を中心と
して』という本があるんですが、とても興味深いことが書いてありますので、紹介してみた
いと思います。
---

また41号(1938年4月)には 'Japana Artiklo rekte al Tutmondaj Esperantistoj' がある。
これは中原が1937年にヨーロッパに行ったときの経験から書いたもの。当時は日本製
というのは粗悪品の代名詞であった。すぐれた品質で世界的に名声を得ているいまの日
本製品のことを知る者にはとても信じられない話である。

「私のヨーロッパ滞在中の体験で、何よりも驚いたのは日本製の商品のたどる運命であっ
た。安くて粗悪な品物にはみな「日本製」の標示がついている。どこだったか、私は日本か
ら来た良質の羊毛のトリコット地を確認したことがある。だがそれにはドイツの工場の標示
がついていた。もっとひどいのは、ヨーロッパの製品でも品質が悪ければ、それだけで「日
本製」という分類標示がついていることもあるのだ。

外国で日本製品の信頼性を永く維持するために、日本の政府や輸出検査機関が厳密な
法規制に基づいて商品の検査を行っていることはむろんである。それにもかかわらず世
界各地で「日本製」の標示をつけた粗悪な商品が出まわっている。日本の商人が世界市
場で商品を直接売りさばく手段を持たないところにそのからくりが存在している。ヨーロッ
パの商人には商品の工場標示をつけかえることなど思いのままで、自由自在にやってい
るのである。

「日本製」――つまりこれは、まるで「安かろう、悪かろう」と同義語として使われるあわれ
な言葉になっているのである。実態を明らかにするためにつぎのような例をあげよう。外国
からの旅行者が日本の都市の百貨店を訪れて驚くのを私は度たび見たことがある。店内
には大小さまざまのあらゆる種類の商品が花やかにならんでいる。しかもその優雅な、質
のよい品物には信じられないような安い値段がついているのである。彼らには日本商品の
安さはまるで作り話のように見える。だがこの安さは意図的に値段を引き下げて売りこみ
に狂奔した結果ではなく、まったく合理的につけられた値段である。これらの商品は日本人
労働者の手によって造られ、その労働者は相応の生活を営むだけの報酬を得ているので
ある。そして日本へ来た外国人旅行者は、この値段を自分の国での値段と比較してみて目
を回すのである。ちょうどヨーロッパの強欲な値段に私がふるえ上がったのと同じように。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板