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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!

240コゲ丸 ◆CI4mK6Hv9k:2007/12/26(水) 00:55:18 ID:N8qt38MI
 月が雲の向こう側に薄らと見える朧月夜。 言葉もなく薄暗い路地を歩く僕は、何も言わない彼女の後ろを歩いていた。
ただ彼女の足音と時折吹く冷たい風だけの世界。 何故僕はこうして彼女に連れ出されたのかもわからないまま、彼女の吐く白い息を目で追っていた。

「泉君さ…家、近くなの?」
「え? うん…ここから、10分くらいかな」
「ふーん…そっか…」

 ふと彼女が立ち止まった交差点で、二人でただ空を見つめながらやり取りする、短い会話。
家族の事とか、部活の事とか、そんな話題だけだったけど、それでも何も話さないよりはまだ、幾分か気が楽だった。

「中原さんの事も、聞いていい?」
「つまんなくてもいいなら、ね」
「何で…女体化した事、学校では隠してるの?」
「……やっぱ、気付かれる、よね…」

 特に意味はなかった。 悪気もなかった。 ただ、無神経だったんだ。
でも僕がその事に気付いたのはもう彼女が顔を顰めた後だった。 信号の光が赤から青に変わって、彼女はまた歩き出した。
僕は後悔の念に囚われながら、開いた距離を少しでも縮めようと彼女の後を追った。

「……最初はね、っていっても中学の時なんだけど、男の時と変わりなく過ごしてたんだ」

 ポツリ、ポツリと、彼女は口を開いた。 ちょうど公園の入り口で、彼女はベンチに腰かけた。
僕は近くの自動販売機で温かい飲み物を買って、彼女に手渡した。 昔からある、ココアだ。 彼女は少しだけ笑顔を見せて、缶を両手で覆った。




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